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俺はいつでもこいつらより 五年先にいる。
だからクラスの奴と話したところで ガキくさくてつまらないし
俺の性格について行けるヤツなんて
ここには絶対にいない。
「新居くんってめっちゃカッコいいけど性格悪いよね~」
おまえらのまえで性格よくしたってな・・・
「何も言うとこないのに・・・性格がね~~」
おかまいなく……
一人でする体育は大好きだけど
協力し合う体育はホントに苦痛で・・・・
クラス団結
力を合わせて 今のクラスはとくに・・・肌に合わなかった。
萌はその中でも中心人物だった。
学級代表に生徒会執行部
俺にはウザイ存在の何者でもない・・・・。
「掃除?俺 さぼってないけど……。」
「そういうことじゃないのよ。
さっさと自分のことやったら帰るじゃん。
たまにはゴミ投げしたり 最後まで付き合いなさいよ。」
萌と同じ班になって本当にウザイ・・・
なんでこいつって…こんなに一生懸命なんだろ・・・。
「秋杜~これ持って行って~」
秋杜って………
「俺が?」
「そうあんたが持って行って。」
バケツを持たされて教室を出て ブツブツ言いながら歩いていると
「ごめん~~」
後から萌が走ってきて 片方のバケツを持った。
「俺一人でいい。」
「一緒に持つよ~ぞーきんも入ってるし~」
「ウザ……」
「え?何か言った?」萌はニコニコ顔で大した重さの変わらない
バケツの片方を持った。
「力を合わせて 人間協力する姿勢が大切だよ。」
「俺は…やだね……。」
バケツの水を乱暴に流したら ぞ―きんも流れた。
萌はしゃがみこんでそのぞーきんをひろって
丁寧に洗いだした。
その洗い方が 昔のドラマで見たことのある見事な
洗い方で俺は その様子をあんぐりと見ていた。
石鹸で泡立ったぞーきんを バケツに張った水で丁寧に洗う様子に
「てきとーでいいじゃん~」と言った。
「みんな テキトーなんだから私が当番の時は
キレイにしておかなきゃ~」
鼻歌うたいながら
楽しそうにキレイに洗いあげた。
「よ~し~完璧~~!!」
ニッコリほほ笑む萌に
「変な女だな・・・・」と言った。
「そう?私はいたってまともだけど?」
萌はそう言うと俺にバケツを持たせて
元気に前を行進していった。
ほんと変なやつ・・・・
「秋杜早くおいでよ。」
そう言って戻ってきてバケツをとった萌の手が
ぞーきんを洗って真っ赤になっていた。
俺はなぜかその小さな手を忘れられなかった。