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五年の差を恨みながら生きている。
たった五年
だけど五年は俺の前に高い壁を作って
春湖は完全に俺を遮断してしまった。
どうあがいても春湖より小さい体と現実に悩み苦しみ
俺はストレスで一杯になっていた。
ガキなんて・・・・
ガキ扱いされるたびに 春湖の口をふさいでやりたくなる
だけど・・・現実どうもならないことは
悔しいけど認めなければいけないけど……
俺は絶対 春湖をあきらめたくなかった。
春湖が高校生になって急にキレイになった時
恐れていたことがおきた。
「恋してるんじゃない?」
両親たちの話の内容はもう俺には理解ができた。
帰りの遅い春湖に頭を抱えていた。
男ができた
その様子に俺も覚悟を決めた。
しばらくして…春湖が元に戻ってその恋は終わったことを知った。
よかった~~
春湖は俺のもので・・・・俺しか春湖を幸せにはできない
もう少し もう少ししたら
きっと春湖もふり向いてくれるとそう信じるしかなかった。
早く大きくなれ!!
中学に入って背が伸び出した。
春湖に近づいて 追い越した。
だけどいつまでも 子供扱いしてる。
俺を受け入れないって 春湖はもっともっと壁を高くしてしまった。
春湖と触れ合うたびに怒らせて 嫌われていく
決定的だったのは
俺を嫌うようにして
大学は地方に行ってしまった。
そして二年間一度も帰ることもなく……
春湖の近況は押しかけていった春湖の親から聞くのみ
俺の体もどんどん大きくなって
男に近づいてきた。
春湖を想像して……
俺は男に近づいて行く………。