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帰り道 スーパーによって買いものをした。



  今晩何を作ろうかな……



外に出るともう雪はやんでいて 時計は12時を少しまわっていた。



「あ…時間だわ…」



光太郎が輝く居場所に戻っていった。

空に



「ありがとう…」とつぶやいた。



そしてこれから私も私が輝ける場所に戻っていく……

現実と向き合って…これから秋杜とどうするのか どうなるのか

その時を静かに待とうと思った。




もし…もしも秋杜が萌を選んだなら……



そう考えると胸が苦しくなった。



  その展開はあり得る……


だって大事なクリスマスを萌と過ごした事実は大きい




もしも…史上最悪そうだったとして……

私はどうしたらいい?



  追わない


そう最初に誓ったはず………。


絶対醜い結末にはしたくない

背中を押して 秋杜が本来いる場所へ…悲しいけど送り出してあげよう。



でも…悲しい


そう考えるだけで胸が苦しくて…外なのに涙が出る。

昨日あんなに光太郎の胸の中で流した涙なのに……

だけど…少しだけ…救われるのは


昨日までの私と違う



幸せを注入されたから……



私は…私が信じる道を歩いて行けばいいって……

そう思えるのが嬉しかった。



光太郎に抱かれたあのドラマのシーンのような出来事が

私を少しだけ優しい気持ちにしてくれた。



忘れないで



そう言ってくれたことが嬉しかった。



  忘れないよ光太郎……



光太郎の言葉が私を決して後悔させない温かい薬になっていた。




  抱かれて…よかった……




秋杜を裏切ったなんて…絶対思わない。

昨日の私たちは…お互いの傷を半分こにしたんだもん……


裏切りなんて汚い言葉で言い表す行為では決してなかったから……



私は堂々とその秘密を胸の宝箱に鍵をかけて生きていこう。




光太郎も同じ気持ちで今 空を飛んでると思ったら

この瞬間がとても愛おしく思えた。



秋杜とこれから何が待っているのかはわからないけど……

後悔だけはしないように……



一人になっても輝いて生きていける女になれるように

しっかり頑張ろうって



真っ青な冷たい空に誓う夢からの帰り道……。




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