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まるで夢のようだった。
全開の窓の灯りの下に浮かび上がる光太郎の整った顔がセクシーに見えた。
「おいで……」
魔法にかかったように私は
光太郎に手を引かれて 二人はベットに腰掛ける。
「今から俺たちはお互いの傷を癒し合う……
だから…春湖は絶対に俺との行為を後悔だけしてほしくない。
彼に後ろめたいとか…彼氏に本当のこと言わなきゃとか…
これは傷ついている俺たちが今 一番したいと思うことをするだけ……。
それで俺が 春湖に付き合ってくれとか
そんなことも言わないし…春湖も俺と付き合うなんてことも考えなくていい…。
住む世界が違う……
だから明日からは…今まで通りの俺たちで
だけど胸の傷からはもう…立ち直っていよう……
お互いが半分づつ引きうけるんだ……。」
かすれた声がセクシーだった。
「そう…これは…夢…夢だと思えばいい……」
私はうなづいた。
夜景を見下ろす部屋で 私は甘い夢の中で喘いでいる……。
そうこれは…夢
ルイトとしてる夢・・・・
よくある芸能人としちゃう夢で 目が覚めると
なぜかファンになってたりする
まるで自分もドラマの中の一人になった気がする。
芸能人って大変だよね……
ドラマにはよくあるシーンで……でもその撮影が終わると
「おつかれさま~」と切り替える。
光太郎はそれに慣れているから 私もしっかり切り替えないと……。
乗り遅れないように……降りおとされないように……
ずっと秋杜に抱かれたかった……
クリスマスでは…そんな願望もい抱いていたけど
私は違う人の腕の中で その願望を果たしている。
秋杜も今頃……
そんな思いが脳裏をよぎって 首を振った。
「春湖?大丈夫か?」光太郎が囁いた。
「…忘れさせて…全部…すべて……
今だけ光太郎さんだけで……一杯になりたい……。」
光太郎は私を強く抱きしめて
「春湖…愛してるよ……」
「私も愛してる……」
私も女優になった気がした。
そしてこのシーンを最高のシーンにしたい…そう思った。
目を閉じて全身で光太郎を感じてる……
「めっちゃ…いい女だよ……。」光太郎が耳元で囁いた。
夢…全部夢……
このシーンが終わるまで…夢の中に溺れていよう……。