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イケメンストーカーに目を付けられましたが全力で逃げます!でも捕まりそうです【連載編】  作者: Karamimi


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2/14

第2話:家族にまで絡んできました

 マリやサラを納得させたものの、嫌がらせが止む事はもちろんない。それどころか、悪口は増々酷くなっている。



 最近では、“ブスが堂々と歩くな!”と書いた紙が入っていた。



 はあ、ため息を付く私。




「やっぱり片岡君に言った方がいいんじゃないの?てかさ、紙入れた犯人が分かればそいつらに直接言うんだけれどね!いっそのこと、朝早く来て現行犯で捕まえて文句言う?」



 マリが鼻息を荒くして怒っている。



「それなら監視カメラがいいんじゃない?その映像を先生に見せて、退学にさせるとかどう?」



 サラも嬉しそうに話しに加わる。

 2人とも結構過激なのよね…


 私たちは夢中で話していた為、背後に人がいるのに気づかなかった。

 と、次の瞬間



「ドン」



 私は誰かに背中を押された。


 運悪く階段を降りているところだった為、そのまま転げ落ちてしまったのだ。



「ちょっと!渚!大丈夫?」



 マリとサラが慌てて私に駆け寄る。



「うん、ちょっと足ひねったくらい。でも大丈夫」


 出来るだけ平然を装うが、正直痛い…



「今誰か渚を突き飛ばしたよね!もう我慢できないわ!」



「さっきのって山岡さんと取り巻き達だったよね、片岡君と同じクラスの!」


「あいつらね、犯人は!一言文句言ってくる」



 マリが文句を言いに行こうとしたその時



「足立さん!どうしたの?」



 片岡君が私に気づき駆け寄ってきた。



「どうもこうもないわよ!あんたのせいで渚は階段から突き落とされたのよ!」



 怒りに任せて片岡君に怒鳴るマリ。



「それ、どういうこと」



「だから、あんたが渚に告白なんてするから、あんたのことが好きな女どもに渚はずっと嫌がらせされていたのよ!今日なんてついに階段から突き落とされたのよ!もう許せないわ」



 マリは地団太を踏んで怒っている。さすがゴリラ好き!だんだんマリ自体ゴリラ化してきたわね…



「それ本当?で?誰に嫌がらせをされていたとかわかる?」

 なぜか私に聞いて来る片岡君。



「多分山岡さんと、そのお友達達だと思うよ」



 サラが冷静に答える。



「そうか、わかった。教えてくれてありがとう!この件は俺が何とかするよ」



 真剣な顔でそう言った片岡君。やっぱりイケメンだけある。かっこいいぞ!



「そんなことより足立さん、足大丈夫?俺が今すぐ保健室に運んであげるね」



「そこまでひどくないから大丈夫…」



「いいや!良くない!ていうか、俺のせいで足立さんが怪我したんだ!大丈夫だよ!俺が責任を取ってお嫁さんにもらうから。そうだ、高校を卒業したら結婚しよう。結婚するなら足立さんなんて呼び方おかしいよね、これから渚って呼ぶよ!俺の事は隆太って呼んで」



 そう言うと、片岡君は私を抱きしめ、頬ずりをし、頭を撫でまわす。

 なんだこいつ…気持ち悪い。



 何とか片岡君から逃げようともがくが、全く動かない!



「片岡君、別に責任取ってもらわなくていいし。てか、まだ結婚とか考えていないし!本当に大丈夫だからとにかく離して!」



「隆太!はい、言い直し!」



 片岡君…じゃなかった隆太君の剣幕に押され



「えっと、隆太君…」


 と言い直した。


 満足そうな隆太君。


 マリとサラ含め、集まっていた野次馬たちはドン引きだ。



「ごめんごめん、つい先走っちゃったね。ご両親に挨拶もしていないのに結婚だなんて、ちょっと気が早かったね!とりあえず保健室に行こうか?」



 だ~か~ら~!違う~~~!



 私が抗議の声を上げようとしたとき、体が浮き上がった。どうやら隆太君に抱えられたみたいだ。



 そのまま保健室に連れて行かれる私。



 マリやサラに目で必死に助けてって訴えたが、2人とも首を横に振って動こうとしない。



 この薄情者達め~~



 保健室についてからも、膝の上に乗せられたまま。

 私が膝から降りようとすると、ギューッと抱きしめられ降りられなくする。



 先生もさすがにこれは…と思ったのか



「片岡君、足立さんを治療するからちょっと降ろしてもらえるかな?」



 そう言ってくれたのだが



「別に膝の上でも治療はできますよね?」



 そう言って全く降ろしてもらえなかった。



「うん、ちょっとひねっただけだから大丈夫よ。今シップ貼ったから明日にはきっとよくなっているわ」



 良かった。



 先生にお礼を言って保健室を後にする。

 もちろん、隆太君に抱えられたまま…



「あの…隆太君。先生も大したことないって言ってたし、そろそろ降ろしてもらえないかな?それに、このままだと帰れないよ」



「俺は大丈夫だよ!どこまででも渚を抱えて行ける」



 いや…あんたが大丈夫でも私が大丈夫じゃないのよ。



「とにかく大丈夫だから降ろして、お願い」



 私の渾身の上目使いのお願いで、やっと降ろしてもらえた。

 ただし、変なスイッチを押してしまったようで、「可愛い!可愛すぎる!」と言いながら、再び頬ずりされてしまったが…



「とにかく家まで送るよ、途中で何かあるといけないからね」



 隆太君はそう言うと、私の手を取りゆっくり歩きだした。

 その手は家に着くまで一切離されることはなかった。



 途中何度も「足痛くない?抱っこしようか?」って聞かれたけれど、全力で断った。ただ電車に乗る時、我先に走っていき、席を確保してくれたのは正直有り難かったけどね。



 そして、やっと我が家へ到着!学校から家までってこんなに遠かったかしら?




「隆太君、送ってくれてありがとう。じゃあ、また明日」

 そう言って別れようと思ったのだが…



「何を言っているんだ、俺のせいで怪我をしてしまったんだから、ご両親にお詫びをしないと」



 そう言うと有無も言わず、我が家の玄関を開けた。



「ちょっと隆太君、待って」



 私の制止もむなしく、「ごめんくださ~い」と大きな声で叫ぶ隆太君。



 お母さんだけでなく、弟まで出てきた。



「あら渚、おかえり。そちらの超イケメンは誰?」



 イケメン好きなお母さん、目を輝かせている。



「僕は片岡隆太と申します。実は今日、僕のせいで渚さんが怪我をしてしまいまして。それで謝罪もかねて伺いました。本当にすみませんでした」



 そう言うと、隆太君はお母さんに頭を下げた。



「まあまあ、それでわざわざ家まで送ってくださったの?どうもありがとう!良かったら上がっていかない?」



 母よ、一体何を言っているんだ。



「お母さん、隆太君も忙しいから…」



「もちろん上がらせていただきます!お邪魔します!」



 私の制止を無視し、当たり前のように上がり込む隆太君。

 横で弟がニヤニヤしている。

 もう好きにして。



「こんな物しかないけれど、良かったら食べてね」



 こんな物って、いつも特別な客にしか出さない高級菓子じゃん。

 それに紅茶まで入れている。


 いつも麦茶なのに…



「あの、ちなみにお父様はご在宅ですか?」



「ごめんなさい、主人はまだ帰ってきてないの。主人に何が様だったかしら?」


 ちょっと、この人何を言い出すつもりなの。



「実は高校を卒業したら渚さんと結婚したいと考えて…んぐんぐ」



 私は慌てて隆太君の口を押さえる。



「隆太君、もう帰らないといけないわよね。さ、行こう」



 私は無理やり隆太君を連れて玄関をでる。



「ちょっと!何お母さんに変なこと言っているのよ!そもそも私たち付き合ってもいないのに、結婚なんておかしいでしょ!」



 本当にこの人信じられない!



「確かに渚の言う通りだ。じゃあ今日から早速付き合おう。今日が俺たちが付き合った1日目の記念日だね」



 だから、違う!



「何度も言っているけれど、私は隆太君とは付き合うつもりはないの!そもそも私は彼氏自体作るつもりはないから!だから他を当たって」



 私はそう言うと勢いよく玄関のドアを閉めた。



 せっかく送ってくれたのに、ちょっときつく言いすぎかなっとも思ったが、まあこれで諦めてくれるだろう。



 その後家族から隆太君について根ほり葉ほり聞かれが、ただの知り合いだと突っぱねた。



 本当に今日は疲れたわ…

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