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黎明の誓い  作者:
21/46

導かれた連携

――翌朝。ヴァリオン、ルミナ、マナの3人は酒場で待ち合わせをし、ピラニクス討伐に向かうのだった。


「今日は連携していこう!ヴァリオンは水面から斬撃でピラニクスを水上に跳ねさせてくれ。ルミナは爆発魔法で私は後方から弓矢で撃ち抜く!」


マナは力強く拳を握る。


「ああ、わかったよ」

「はい!がんばります」


2人は快く返事をし、船着場に向かった。

もうピラニクス退治に向かっている者はちらほらいた。


「いやー助かるよ。リナとハナはピラニクスなんて怖いって泣くばっかりで、昨日は私1人だったんだ」

「確かにピラニクスさんの見た目は牙がギザギザで、ちょっとだけ怖いですね」

「あはは、そうかもな?」

あまりにも想像がついてしまい、ヴァリオンは笑ってしまった。


「マナの弓矢は変わっているな?」

「ああ、これか?」


マナが弓を背中から抜き出すと、五つ矢が入る仕組みになっていた。


「ほえー、たくさん打てそうです」

「あ、気を付けて、重いから!」


マナが注意したが、ルミナは「わわわっ!」っとバランスを崩してしまう。

「おっ……と」

ルミナの背中を支え、片手で弓矢を支えるヴァリオン。


「あ、ありがとうございます……」

「おおっ!頼もしいじゃないか!ヴァリオン!」

「あはは……ルミナに怪我がなくてよかったよ」

最近力がついたな、とヴァリオンは実感する。


「ちょっと構えてみるか?弓もいいもんだよ?」

マナに言われ、ズシリとした弓矢を構える。

やはり重く、とても引けそうにない。


「ぐ……っ、む、無理だあ……俺じゃ力が足りないや」

「コツがあるのさ!様になってたよ、ヴァリオン」

「はい!ヴァリオンさん、かっこよかったです!」

「そ、そうかな……?」


2人の女性に煽てられ、少し照れて頭を掻くヴァリオン。



ピラニクスの現れるスポットに到着した。


うようよ泳ぎ船にゴツッと当たる嫌な音がする。


「わあ……今日もたくさんいます……」

時々水面からギョロリとコチラを見てくるピラニクスにルミナは少し怯える。


マナはルミナの横に立ち、弓を構えながら言った。

「ルミナ、大丈夫。私が後ろからフォローするから、前はヴァリオンに任せよう」

「あ、はい!」

「頼むぞ、ヴァリオン!」

「ああ!」


ルミナは少し安心したように頷き、ヴァリオンも前に構える。

マナの落ち着いた声が、3人を戦闘の準備へと導く。


「はあっ!」

ヴァリオンは水面に斬撃を放つ。水しぶきが飛び散り、跳ね上がったピラニクスたちが慌てたようにギョロリとこちらを見た。


「はああっ!」

マナは弓を引き、五連射。矢が弧を描き、正確に5匹のピラニクスを射抜く。水面に当たる音と共に、小さな波紋が広がった。


「い、いきます!」

ルミナは爆発魔法を放つ。水中で炸裂する光と衝撃波に、残りのピラニクスが暴れる。跳ね回る魚たちの影が水面を揺らす。


「おおー、いい感じだ!」

ヴァリオンはタッチしてルミナを軽く励ます。彼の目にも、自分たちの成長が確かに映っていた。


「よし、次だ!ヴァリオン、ルミナ、連携を意識して!」

マナは冷静に状況を見渡し、敵の群れを把握する。


次の瞬間、1匹のピラニクスが予想外の方向に跳ね上がる。

「わっ!」ルミナが少しバランスを崩したが、ヴァリオンがすかさず手を伸ばし支える。

「大丈夫か?」

「はい……ありがとうございます!」ルミナは深呼吸し、笑顔を取り戻す。


「いいね、いいね、まだまだ行くぞ!」

ヴァリオンの掛け声にルミナも応える。「はい!」

マナも軽く頷き、弓矢の角度を微調整する。


水面を覆うピラニクスの群れ。牙を剥き出しにして襲いかかる彼らを、3人は素早く打ち破っていく。連携は前回よりも自然になり、跳ね上がった魚たちを確実に倒すたび、達成感が3人の胸に広がった。


「まだまだいけるぞ!」

「ああ!」「はい!!」

声を揃えて前進するヴァリオンとルミナ。水しぶき、矢音、爆発の閃光——戦場は音と光に満ち、3人は一瞬も気を抜けなかった。


「いいぞ!魔力切れ起こす前に言うんだよ!?ルミナ、ヴァリオンも!」

「はい!」とルミナ。

「…………魔力?」と首を傾げるヴァリオン。


ルミナは一瞬きょとんとする。

「ん……?」マナは振り向かず手をピタッと止めた。


「あれ……?」

ヴァリオンの視界がぐにゃりと歪む。船の上でバランスを崩し、思わず手を伸ばすが間に合わない。


「きゃー!?ヴァリオンさん!?」ルミナが慌てて叫ぶ。

「え……っ!?魔力切れか!?」

ドサリ、と船の上に倒れ込むヴァリオン。水面の波が小さく揺れた。


「まさか……知らなかったのか?」マナが眉をひそめる。

「は、はい……斬撃にも魔力使うなんて知りませんでした……」

ルミナはしょぼんと肩を落とし、顔を赤らめる。


「と、とにかく……集計は後にして戻ろう!病院病院!」

「はい――っ」

ルミナはヴァリオンの肩を支え、マナは少し慌てながらも船を操る。



ヴァリオンが目を覚ますと、ルミナが心配そうに顔を覗き込んでいた。

「あれ……ここは?」

「ヴァリオンさん――よかったです……!」

泣きながら抱きつかれ、赤くなるヴァリオン。


「危なかったよ……魔力が底をつきかけてて、後一歩で危なかったんだ」

「ええーっ!?」

「すいません……斬撃も魔法だったなんて知らなくて……」

「あはは、君たち大したもんだよ。初心者だなんて思わなかった」


マナは静かに歩み寄り、落ち着いた声で付け加える。

「ヴァリオン、今の魔力なら斬撃は4、5回が限界だ。今日は7回も使った。無理は禁物だぞ」

「す、すいません……」

「謝ることはないさ。お互い様だ」

「私が知らなかったせいですーごめんなさいー」

「いや、俺も知らなかったからな」

ルミナはうるうると目を潤ませながらも、少し安堵した表情を浮かべる。


マナとルミナでピラニクス退治の集計をすると……なんと、506ゴールドにもなった!


「わあー!すごいです!」

「ああ!これは本当にすごい!早速半分にしよう」

「はい!」


マナが少し微笑んで、さりげなく言う。

「あ……リナとハナがいるから、ごめんね~。半分で大丈夫?」


ルミナは一瞬戸惑ったが「え、あ……はい……もちろんです!色々教えて頂きましたし!!半分で」と頷く。


253ゴールドをきっちり2人で分けた。


医療費に50ゴールドかかってしまったのは痛かったが…。海底トンネル代には充分だ。

「財布の中身は残りは112ゴールドですね」


財布の中身を確認している一瞬のうちに、マナの姿はもうどこにも見えなかった。


「え……あれ……?」

ルミナは思わず目をこすり、辺りを見回す。

「さっきまでここにいたのに……」


(そういえば...今日は船の操縦もマナさんがやってくれていたんでしょうか...昨日は漁師さんがいたのに今日はいませんでしたね...)

ルミナは1人首を傾げる。


「あ!!そろそろヴァリオンさんの治療が終わってる頃です!!迎えに行かなくては!!」

ルミナはバタバタと報酬を手にし急ぎ足dw病院へと向かった。


病院での治療を終え、ヴァリオンはすっかり元気を取り戻していた。


「さあ、行きましょうか」

「ああ……!!」


ルミナも気合を入れ直す。

「次は海底トンネルですね……気を引き締めましょう」

「うん、行こう!」

トライデル港編、楽しんで頂けましたか?


次回はいよいよ海底トンネルへ突入です!

抜けた先で...何かが起きる…かも、です!(*`・ω・)ゞ」


今日から20時投稿に変更になりました。

今後ともよろしくお願いします。

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