休日
白い。思ったのも束の間、耳元でケータイからアラームの音が思い出すかのように鳴り響く。このアラームの音は嫌いだが、音を変えるのも面倒なのでそのままだ。攻撃的な朝日が入ってくる一方、窓の位置によりできた部屋の暗い箇所に目を映す。いつもなら時間に追われて考える暇もなく家を出ていたが、今日は穏やかな気持ちで起きられた。月曜から金曜までの疲れが残っているのを感じながらベッドを出る。無意識に入れたコーヒーと昨晩コンビニで買った菓子パンをつまみながらぼうっとする。寝ると起きるには一瞬の切り替えなんてものではなく、徐々に寝る・起きるがあるんじゃないかって思う。だからこの時間も必要な時間だ。そんなことを考えていたら、時計の針は12を指していた。真昼間だ。あいにく私は何もしない日を全くもったいないとは思わない。人様は「時間がもったいない」だの「せっかくの休みだから」だの抜かしているが、何もない日に価値を見出せないようではまだまだだななんてことを考える。しかし、今日は夕方から友達と映画に行くと決まっていたため、仕方なく準備をして家を出た。友達との待ち合わせまで少し時間があったため、本屋に行って暇をつぶしていた。暇つぶしは本屋に行くことが多い。というかほとんど本屋だ。好きな著者の新作を見て、好きなマンガの新刊をみて新しいジャンルの本を見て、そうやっていれば一二時間は簡単につぶすことができる。本屋の匂いが好きとか言ってる人はいるが、私はそもそも鼻が効かないため、そういう人を見るとかっこつけてんのかくらいにしか思わない。こんなことを周りに言えば、ひねくれてるとかこじれてるだとか、予想通りの罵声が飛んでくるが、実際ひねくれてると私自身で思うし、もうすでに自身に粘りついた価値観であるため、直そうと思わない。そんなことを考えていたら、約束の時間が迫っていたため、本屋を後にして映画館に向かった。サスペンスと聞いていた映画だったが、実際はほぼホラー映画だったために驚いた。ホラー映画は割と好きで批判すべき部分はしてやろうとたかを括るタイプだが、サスペンスの気持ちでいたために普通に楽しんでしまった。ちょっと悔しい気持ちを胸に秘めたまま、定型分の「面白かった」を口にした。家に帰り、そのままベッドに入る。お風呂に入らないとベッドに入れないという人の気持ちは分かるけど、それはお風呂に入る体力を残して家に帰ることができる優秀な人間の言い分であり、疲れた私の心にも身体にも響かない。
電気を消し、目を瞑り、真っ暗になる。黒い。
白いで始まり黒いで終わる。そんなことを考える優雅さこそが休日の嗜みなのだと再確認して私は眠りについた。