第三章 勇者パーティーに危機が迫る
レオンは驚いてガイアを見た。ガイアもまたレオンを見て、目を細めた。
「おや、君も『模倣』スキルを持っているな。それも隠しているようだが」
ガイアはレオンのスキルを見抜いた。
「なっ……!」
レオンは慌てて否定しようとしたが、ガイアは笑って言った。
「隠す必要はない。私も同じだからな。君と私は同じ種類の人間だ。この世界に居場所がない者だ」
ガイアはレオンに同情したような口調で言った。
「違います!僕はあなたと違います!僕は……」
レオンは自分の立場を主張しようとしたが、ガイアはさらに言った。
「君は勇者ではないよね?ただの村人だよね?勇者パーティーに勘違いで加わっただけだよね?」
ガイアはレオンの秘密を暴露した。
「どうして……!?」
レオンは驚愕した。ガイアは嘲笑した。
「私にも『模倣』スキル以外にも能力がある。それは『洞察』スキルだ。人の心や過去や未来を見通すことができるんだ。君のことも全部わかっている」
ガイアはレオンの心理を読んでいた。
「そんな……!」
レオンは絶句した。セリアや他の仲間たちも驚いてレオンを見た。
「レオン……本当に勇者じゃなかったの?」
セリアは失望した声で尋ねた。
レオンはセリアの目を見て答えた。
「はい……本当です。僕は勇者じゃないです。ただの村人です。勇者パーティーに勘違いで加わっただけです」
レオンは正直に告白した。彼は嘘をつくことができなかった。セリアや他の仲間たちはレオンの言葉にショックを受けた。
「なんでそんなこと……?」
セリアは涙ぐんだ声で言った。
「ごめんなさい……僕も最初は誤解を解こうとしたんです。でも、セリアさんに気に入られてしまって、一緒に旅をすることになって……」
レオンは謝罪した。
「気に入られてしまって?私はあなたを勇者だと思って信頼していたのに……」
セリアは悲しみに震えた。
「僕も信頼していました。セリアさんや他の皆さんのことを。だから、僕は自分のスキルを使って、皆さんの力になろうとしたんです」
レオンは弁明した。
「自分のスキル?『模倣』スキルのことか?」
セリアは怒った声で言った。
「そうです。僕は『模倣』スキルと『隠蔽』スキルを持っています。どんなスキルでもコピーできるし、自分のステータスを隠すことができるんです」
レオンは自分の能力を説明した。
「それで、私達のスキルを真似ていたのか?私達を騙していたのか?」
セリアは憤慨した。
「騙していたわけじゃありません!僕は本当に皆さんの仲間でありたかったんです!」
レオンは必死に訴えた。
「仲間?あなたが仲間だと思っているのか?あなたはただの村人だよ!勇者パーティーに加わる資格もないよ!」
セリアはレオンを罵った。レオンは傷ついた表情で言った。
「そうですか……それが本当にセリアさんの気持ちなら、僕はもう何も言えません……」
レオンは悲しげに首を振った。ガイアはその様子を見て、笑った。
「ほらほら、見てみろよ。君が信頼していた勇者パーティーは君を裏切ったよ。君が必要とされているのは魔王軍だよ。君と同じ『模倣』スキルを持つ私が言うんだから間違いない」
ガイアはレオンに誘惑した。
「魔王軍?あなた達は人々を洗脳して殺すようなことをしていますよ!そんなのと一緒になりたくありません!」
レオンはガイアを拒絶した。
「そうか?でも、君も人々を騙して殺すようなことをしてきたじゃないか。君も私達と同じだよ」
ガイアはレオンを挑発した。