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第一章 勇者パーティーに加わる

「レオン!レオン!」


村の広場に響く声に、レオンは驚いて振り返った。そこには、村長の娘であり、幼なじみでもあるリリアが走ってくる姿が見えた。


「リリア?どうしたの?」


レオンはリリアに尋ねた。リリアは息を切らしながら、レオンの手を握った。


「レオン、早く来て!勇者パーティーが村に来たんだよ!」


「え?勇者パーティー?」


レオンは目を見開いた。勇者パーティーとは、魔王討伐のために国王から選ばれた英雄たちのことだった。彼らは各地を旅しながら、魔物や魔王軍と戦っているという。


「そうだよ!今、村長の家で休んでるんだって!レオンも一緒に会いに行こうよ!」


「でも、俺は……」


レオンは迷った。彼は勇者パーティーに興味があったが、自分はただの村人である。彼らと話す資格などないと思っていた。


「大丈夫だよ!村長さんが言ってたんだ。勇者パーティーの人たちはとても優しいし、村人とも仲良くしてくれるって!」


「そうなの?」


「うん!だから、レオンも一緒に行こうよ!」


リリアはレオンの手を引っ張った。レオンは仕方なく従った。彼はリリアについて、村長の家へと向かった。


村長の家に着くと、そこには多くの村人が集まっていた。彼らは皆、勇者パーティーに会えることを楽しみにしている様子だった。


「すみません、すみません」


レオンとリリアは人混みをかき分けて、中に入ろうとした。すると、中から村長が出てきた。


「おお、レオン君か。よかった、来てくれたな」


村長はレオンに笑顔で言った。


「え?村長さん……」


レオンは戸惑った。村長は何故自分を呼んだのだろうか?


「さあ、中に入りなさい。勇者パーティーの皆さんが待ってるぞ」


村長はレオンの肩を叩いて、中へと誘導した。レオンはリリアと一緒に中に入った。


中に入ると、そこには四人の人物が座っていた。彼らこそが勇者パーティーだった。


一人目は金髪碧眼の美しい女性である。彼女は白いローブを着ており、背中に大きな翼が生えている。彼女は天使族であり、勇者パーティーのリーダーである。彼女の名前はセリアという。


二人目は黒髪黒眼の男性である。彼は黒い鎧を着ており、腰には長剣を差している。彼は人間族であり、勇者パーティーの剣士である。彼の名前はカインという。


三人目は赤毛緑眼の女性である。彼女は緑色の服を着ており、手には杖を持っている。彼女はエルフ族であり、勇者パーティーの魔法使いである。彼女の名前はミラという。


四人目は茶髪茶眼の男性である。彼は革の服を着ており、背中には弓と矢筒を背負っている。彼は獣人族であり、勇者パーティーの射手である。彼の名前はルークという。


レオンはこの四人に圧倒された。彼らはまさに英雄と呼ぶにふさわしい存在だった。レオンは自分がこんな人たちと話せるなんて信じられなかった。


「こちらが勇者パーティーの皆さんです」


村長はレオンに紹介した。


「そして、こちらがレオン君です」


村長はレオンを指さした。


「レオン君?」


セリアが驚いたように言った。


「そうです。レオン君こそが、私がお話ししたあの方です」


村長はニコニコと言った。


「あの方?」


カインが不思議そうに言った。


「ええ、そうですよ。この村に住む、隠れた英雄です」


村長はレオンを褒め称えた。


「隠れた英雄?」


ミラが疑問に思ったように言った。


「そうなんです。レオン君は、この村を何度も救ってくれたんですよ」


村長はレオンの偉業を語り始めた。


「例えば、先月の大嵐の時ですね。レオン君は一人で村の堤防を修理してくれました。それも夜中にね」


「それから、先週の森林火災の時ですね。レオン君は一人で火を消してくれました。それも素手でね」


「それから、昨日の魔物襲撃の時ですね。レオン君は一人で魔物を退治してくれました。それも素早くね」


村長は次々とレオンの話をした。しかし、それらは全て嘘だった。


レオンは呆然とした。村長が何を言っているのか分からなかった。彼はそんなことをした覚えがなかった。


「ちょっと待ってください!村長さん!それは違いますよ!」


レオンは慌てて否定した。


「違う?どういうことだ?」


カインが不審そうに言った。


「それは……」


レオンは説明しようとしたが、言葉に詰まった。彼はどうやって村長の嘘を暴くことができるのだろうか。


「レオン君、何か言いたいことがあるの?」


セリアが優しく言った。彼女はレオンに興味を持ったようだった。


「え、ええと……」


レオンはセリアの美しい瞳に見つめられて、緊張した。彼はセリアに惹かれてしまった。


「レオン君、あなたは本当にすごいですね」


セリアはレオンに微笑んだ。


「い、いえ、そんな……」


レオンは赤面した。


「私はあなたのことをもっと知りたいです」


セリアはレオンの手を握った。


「え?」


レオンは驚いた。彼はセリアの手の温もりに感動した。


「あなたは私たちと一緒に旅をしませんか?」


セリアはレオンに申し出た。


「え?旅?」


レオンは呆れた。彼はそんなことを考えてもいなかった。


「そうです。私たちは魔王討伐の旅をしています。あなたは私たちにとって貴重な仲間です。あなたの力が必要です」


セリアはレオンに訴えかけた。


「でも、俺は……」


レオンは断ろうとしたが、セリアの瞳に抗えなかった。


「お願いします。私はあなたが好きです」


セリアはレオンに告白した。


「好き?」


レオンは信じられなかった。彼はセリアに好かれているのだろうか。


「はい。好きです」


セリアはレオンにキスした。


「!!!」


レオンは驚愕した。彼はセリアの唇に感動した。


周りの人々も驚いた。彼らはこの光景を見て、拍手喝采した。


「やったぜ、レオン!勇者パーティーに加わるぞ!」


「すごいね、レオン!女勇者とキスするなんて!」


「おめでとう、レオン!幸せになってね!」


村人たちはレオンを祝福した。彼らはレオンが勇者パーティーに加わることを喜んだ。


しかし、レオンは混乱していた。彼は自分が何をしているのか分からなかった。


これが、平凡な村人が最強の勇者へと変わっていく物語の始まりである。

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