U.S.J. ピリオドがあるんだから(1)
「リチル! 私はあなたを許さない!」
「フン! プアール! あなたこそ私の前に膝まづかせてあげるわ!」
「やれるもんならやってみなさい!」
「プアール! 相変わらずおバカさんね! あなたは一体今どこにいると思っているの?」
「ネズミ―ランドよ」
「そうよ。ここは私が稼いだ賞金で作った軍事養成施設! 『木間暮杉太』様のために作ったネズミ人間養成所よ!」
えっ!? 一瞬、優子は耳を疑った
――木間暮杉太って、もしかして、私の兄貴?
まさかね……でも、リチルのこの声と名前、どこかで聞き覚えがあるのよね。
――うーん。
確か、私が初めてこの世界に来た時に、部屋の中で兄貴がなんか騒いでいたっけ。そして、その部屋から聞こえてきた女の名前。
り・ち・る
――もしかして、私を異世界転移させたのは、プアールじゃなくて、このリチルなの?
優子はリチルをにらんみ叫んだ。
「ちょっと! 私をこの世界に連れてきたのはあんたなの!」
リチルは優子をにらみ返す。
「なんですのこの子。もしかして、プアール、あなたも『女神と転生』をプレイしているというわけではないでしょうね」
薄ら笑いを浮かべるリチル。
「そうよ! 何がおかしいのよ! この優子と共に私は『女神と転生』を勝ち抜いてみせる!」
プアールは握りこぶしをリチルに突き付けた。
大笑いをするリチル。
「あぁ、おかしいわ。そんな小娘でこの世界を生き残れると思っているの?」
「誰が小娘ですって!」
優子もプアールに並んでリチルに拳を突き出した。
「まぁ、いいわ、そんな小娘、さっさと潰してあげる。そうすれば、プアール、あなたも自分がいかに愚かであるかきっとわかるはず」
「やれるもんならやってみなさいよ」
優子はいきがった。
「あなた、なぜ、ココがサイキョウネズミ―ランドって言われているかご存じ?」
開いた扇子で口を隠しながらリチルが優子に問うた。
「それは、西京という街に有るからでしょ!」
プアールが恥ずかしそうに優子を小突いた。
「優子さん、ネズミ―ランドは西京と言う街ではなくて、チバラギという隣町にあるんですよ……」
「なに! その地名偽装は! 詐欺じゃない! 金返せ!」




