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リチルとプアール(4)

 それからプアールはリチルと行動を共にする。

 ゴミ箱を一緒にあさっては、笑いあい。

 川で釣りをしては、水遊び。

 パン屋で目を潤まして、パンの耳を貰う日々。

 それでも、二人は楽しかった。

 プアールもリチルも、お互いがいればそれだけで十分だったのだ。


 しかし、13歳になったころのことである。ある時を境にリチルの態度が変わった。

 プアールを敵視するようになったのだ。

 そうそれは、プアールがゼウィッスの娘であると知った時からである。

 リチルのお父さんは、ゼウィッスによって殺されたのである。そのように母から常に言い聞かされていたリチルはゼウィッスを目の敵にしていた。

 自分たち家族を不幸にした張本人。その張本人の娘が目の前にいるのだ。

――殺してやりたい。

 しかし、リチルは、そんな殺意を思いとどめた。そんなことをすれば、自分の身も危うい。まして、殺したところでどうとなるのだ。

 この女に、詫びさせたい。地面に頭をこすりつけて土下座をさせたい。いや、この女を自分の足元に這いつくばらせ、支配するのだ。そう、ゼウィッスの娘を自分の足で毎日、踏みつぶすのだ。なんと素敵な光景ではないか。

 そんな感情がリチルに渦巻いた。

 おそらくおバカなプアールは上級神になることはできまい。

 このまま路地裏で貧しい生活を送るのだ。

 ならば、このプアールを犬のように飼ってやろう。

――そのためには、金だ。

 圧倒的な金をもって、プアールをしばくのだ。


「私、『女神と転生』ってゲームに参加するわ。あなたとはここでお別れよ」

 それだけを言い残してリチルはプアールの元から去っていった。


 なぜ、リチルが自分を捨てていったのか、分からないプアールは途方にくれた。

――なぜ、リチルは私を捨てたの……

 悲しみに暮れるプアール。

 しかし、切り替わりの早いプアールは考えた。

――そうだ、私が幸せになれば、リチルと一緒に住めるじゃない。

 プアールは、夢を見る。

 これから自分たちはどうするんだろ。

――お金持ちになろう。公務員になろう。夢のマイホームを建てようと。そして、リチルと一緒に二人で住もう。

 プアールは、公務員を目指してバイトを始めた。

 しかし、お金は一向にたまらない。

 なぜならプアールが働く先はmegazon配達部。

 ブラックの中のブラックなのだ。

 そんなことに気づかないプアールは、今日も休憩室でパンの耳をかじっていた。

 そんな時、megazon休憩室に置かれた雑誌が目に入る。

――リチル!?

 そこには、リチルの写真が

『超期待の新人現る!』

 そこには『女神と転生』で連勝し続け、いまや賞金ランキングトップを歩み続けているリチルの記事が載っていた。

 私が、リチルと一緒に住むためのマイホームを建てるために、日々ブラックなバイトを頑張っているというのに、リチルは何? アイドル気取り。

 プアールの中でリチルに対する憎悪が芽生えたのだ。


――私の方が何倍も可愛いわよ!


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【一応、リチルのステータスよ】


氏名 リチル

年齢 16歳

職業 アイドルゲーマー

レベル 15


体力 900

力 50

魔力 50

知力 5

素早 50

耐久 50

器用 10

運  3

固有スキル 女神たぶん 

死亡回数 0


右手装備 扇子

左手装備 なし

頭装備  ウ●コもりもり

上半身装備 紫のドレスリボン

下半身装備 紫のドレス

靴装備 ハイヒール


攻撃力 70

守備力 70


所持金 772,539,564

担当 杉太

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