表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/82

リチルとプアール(1)

「そうだった。パンツ! パンツ!」


 ゴンドラが、バタンと倒れた。

 その下から、頭をこすりながらヤドンが立ち上がった。

「あぁ、驚いた。死ぬかと思った」

 いやぁ、普通死んでいるだろ。あんな金属のゴンドラが直撃すれば、普通即死である。


 あっ! コイツ普通じゃなかった。

 そう、変態なのである。

 

 ちがーーう!


 ヤドンは今でこそ、少年の姿をしているが、その実態はヤカンドレル最強のドラゴン。ドラゴンの中のドラゴン。キング・オブ・ドラゴン。ヤカンドレル=ゴールデン=ドラゴンなのである。物理攻撃など屁の河童。うん、今は優子にやられて治療中のはずなのでは? もう、治ったんじゃない? 結構時間たってるし。


 涙をたたえたムンネはヤドンの胸へと飛び込んだ。もうあきらめようかと思っていた男性が死地から帰還したかのようにドラマチックに抱き着いたのだ。ムンネの美貌、まさに絵になる。ただ、ヤドンの変態装備さえ普通だったらの話であるが。

 ヤドンもまた、とっさにムンネを突き飛ばしてしまったことを少々悪いと思っていた。しかし、あの時は時間がなかった。突き飛ばす以外にムンネを守る方法がなかったのである。ヤドンも、少々バツが悪いのか頭をかいていた。

 しかし、なぜか、またもやムンネが吹き飛んだ。顔面を潰しながら吹き飛んだ。ヤドンの拳がめり込んでいたのだ。どうやら、落下するゴンドラに気付いたヤドンは、とっさに自分のソフトクリームをムンネに託した。だが、当のムンネは、それどころではない。ソフトクリームは、無残にも地面の上で溶けていたのである。


「俺のソフトクリームどうしてくれるんだよ」


 もう、コイツDV夫確定じゃん! 悪いことはいわない、ムンネさん、もっといい男探しなよ……えっ……もしかして、コレってドラゴン流の照れ隠し? 愛情表現と言うやつですか? 確かにライオンも発情期にはオスがメスを甘噛みするとかいうし……コレも甘パンチ? 確かにムンネの体力減ってねえ! もしかして、両思いですか……そうですか……向こうでやっとれ!


 倒れたゴンドラのドアがバタンと天に向かって開け放たれた。その開いた入り口から、一本の足が伸びていた。

「もう死ぬかと思ったじゃない!」

 優子がお尻をこすりながら、ゴンドラからはい出してきた。

 チッ!

 プアールがその姿を確認すると舌打った。

――生きていやがったか……

 まさに優子を見つめるその目は、そういわんと欲していた。


 そんな優子たちの周りには人だかりができていた。

 観覧車のゴンドラ落下と言う、前代未聞の大事故である。

 野次馬根性丸出しの観衆たちは、思い思いに騒いでいた。

 その中には、いつの間に来たのであろうか、アイちゃんの母親チャイ子もいた。

 ソフトクリームを買いに行ったホストほったらかしで、やってきたようである。


 だが、優子はプアールに文句を言っているために気づいていない。

 アイちゃんも、今だゴンドラの中でチョコをかじっている。

 そのため、チャイ子もまた、アイちゃんに気付いていなかった。

 こんなに近くにいるなんて……女神さまでも気づくまい! って、女神はプアールか! そりゃ無理だ! ハハハハ。


 その人だかりを、黒服を着たネズミのモンスターたちがかき分ける。

 たちまち群衆の中に一本の道ができあがった。

 その道の先に、一台の黒い高級セダン車が止まっていた。

 その車、『コボルボ』である。

 それは、海外メーカーが開発したという、超高級車。

 戦車の大砲で撃たれようが、ミサイルが飛び込もうが、中の人間を守り抜くという、桁違いな安全理念を基に創られた超頑丈な高級車である。

 そのコボルボから、丸められた赤い絨毯が、回転しながら伸びてくる。

 その絨毯が、どつきあっている優子とプアールの元までくるくると転がりながら広がった。

 それと同時に、コボルボの後部扉を黒服のネズミモンスターが厳かに開ける。

 一人の女性の足がスラリと伸びる。

 赤い絨毯に従って、その女は歩いてきた。胸に大きなリボンをあしらった紫のドレス、しかも、いたるところにこれでもかとレースをふんだんに使ってる。金色の髪がティアラの上にウ●コかと思うぐらい盛ってある。それでも余ったのか、肩からぐるぐるとカールした金髪が垂れ落ちていた。どう見ても金持ちのいけ好かない女と言う雰囲気。成金女って感じだ。

「お怪我はないようですね」

 その女性の赤い目は冷たい。

 優子とプアールを見下すような、冷めた目線。


-----------------------------------------------

【なんだ、ヤドン、大丈夫じゃない! もう仕事増やさないでよね!】


氏名 ヤドン

年齢 902歳

職業 変態勇者

レベル 99(回復中)


体力 200→199

力 180

魔力 150

知力 6

素早 40

耐久 50

器用 40

運  3

固有スキル 

死亡回数 0


右手装備 性剣セ●クス・カリ・バー

左手装備 性剣セ●クス・カリ・バー

頭装備  ネズミの耳のカチューシャ(ムンネとおそろい♡)

上半身装備 勇者の鎧(自称)

下半身装備 ブリーフパンツ

靴装備 なし


攻撃力 156

守備力 171


所持金 102,999,892

パーティ 優子

婚約 ムンネ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ