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呪い(2)

「何が、ね! だよ。俺をまだ狙うつもりか?」


「当たり前じゃない! レベル99のドラゴンよ。あんたやっつけたら、レベル50ぐらいは余裕よね。あっ! 経験値アップのドリンクも買わないと。5分で全部買えるかしら……」


 と言いながら、優子は、明日megazonで購入すべきものを書き出し始めた。



「お前、アホだろう! そんなこと聞いて、俺が明日までお前を生かしとくって思うか?」


 優子はしまったという顔をした。

 愛想笑いをしながら、後ずさる優子。


「確かに今の俺は、ドラゴンの時よりかなり弱い。しかし、お前よりかは、かなり強い。しかも、勇者の鎧つきだ。言っている意味分かるよな」


 優子はスクールバックの中に手を突っ込んだ。


 何かないか! 何かないか!

 焦れば焦るほどイメージが乱れる。


 迫り来る、ヤドン!

 鎧の音がガシャガシャと優子を威圧する。


 震える優子。


 来ないで……


 尻餅を付く優子

 優子の眼の前にブリーフが迫る。


 純白のブリーフ

 真っ白なブリーフ

 涼やかなブリーフ

 優子は、身を守るように手で頭を覆った。



「おっ、替えのブリーフか、お前、気が利くな!」


 優子の手にブリーフが3枚握られていた。


 迫り来るブリーフが、優子のイメージを固めたようである。


 ヤドンは、優子の手から、ブリーフを奪いとった。


「まぁ、明日まで待ってやるよ」

「えっ?」

「そのかわり、このブリーフは、俺によこせ」

 ウンウンと何度もうなずく優子。


 ――もしかしてこいつブリーフで手なずけられる?

 そんな思いが優子の頭をよぎる。


「ねぇ、ちょっと、ヤドン! あなた、私とパーティを組まない?」

「はぁ? 何でだよ、明日、やりあうじゃなかったのかよ」


 そう、明日使い捨ての道具でヤドンを殺せば、大量の経験値がゲットできる。

 しかし、ヤドンは、ブリーフ3枚で、その殺しあいを受けるという。

 たったブリーフ3枚でである。

 ヤドンは、優子に勝利する秘策があるのだろうか。

 弱っているとは言え、やはりレベル99である。

 隠している魔法などあるのかもしれない。

 それならば、ここはリスクを犯さずに勝負をしないというのも選択肢もある。

 それならば命だけは助かる。


 いや、こんな普通の考えならば、レベル1でヤドンに勝負を挑む所から突っ込むべきである。


 ということは、優子の考えは、別なのか……


「報酬は、1日一枚の真っ白なブリーフ! どう?」


 この女、アホだろうか? 誰がパンツに命をかけるというのだ。

 そんなやつがいれば顔を拝みたいものだ。


「いいぜ!」


 いた! ここにいた! 優子級の超ドアホが。


 こいつの顔、人気アイドルグループのジャムー○J.r.(ジャンガラ節ラッパー)みたいきれいに整っているにも関わらず、頭は猿だ、いや、サル以下、もうサルモネラ菌なみだ。




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