あぁ…愛しの別荘…
更新しました。社畜ライフ満タン
ー地下???階会議室
ゆるやかに車が止まり、漆黒の闇の中でおろされると、暗視ゴーグルをつけた主任に引っ張られる形で真っ暗な洞窟を歩き、カビ臭い独房へ案内された。
ここがお前の墓場や。
主任はそういうと、奥の椅子に腰掛ける。タバコを取り出し火をつける。
あの…タバコはちょっと…スモハラですよ…?
主任はギロリと私を一瞥すると黙って紫煙を吐いた。
マジ怖い。この人目がイってるもん。しかし、この部屋は案外悪くない。引きこもり体質の私にとって太陽が見えない間取りは重要なのだ。ここは私の城にしよう。
ガラガラガラ。
鉄格子を横にずらしながら金髪のオールバックにサングラス、スーツ姿の人間が独房に入ってきた。意外にも若い。歳は20代だろうか。が、そんなことはどうでもいい。ここは私の別荘地(暫定)であり、私的空間(暫定)だ。とっとと出て行って欲しい。
こうして私のカビ臭い別荘(独房)の中に漢3人が入獄した。
まず、金髪オールバックが口火を切る。
では、これより地区原シヤ君の処遇について人事面談を始めます。私は人事部係長の長谷山泰造と申します。以後お見知り置きを。早速ですが、本題にはいります。主任から君の評価は良くないとの報告が上がってきています。これについて何か弁明はありますか?
(ふむ…おそらくここでの弁明次第で私の進退がかかってくるだろう。ここは慎重に…)
ええっと、そうですね…評価が良くない原因はそこにいる主任が私に嫉妬して虚偽の報告を申し上げているからです…!日頃からパワハラまがいの言動、器物損壊、ひいては強盗までの被害を受けて
言い終わる前に主任の怒号が飛んだ。鼻息は荒く、目を血走せ、独房の鉄格子を引きちぎり鉄棒を手に持ってこちらに向かってくる。…⁉︎おかしい…パーフェクトコミュニケーションだったはずだが…仕方ないここで主任を排除する。そう判断した。くたばれ主任!長谷山のグラサンを奪い、投げつける。パリン!と主任の一振りで無残にも砕け、鉄棒が目の前に…そこまで見えたとき、私は絶命していた。
その後、鈍い音が何度もこだまし、形のない真っ赤な泥粘土が独房に転がっていた。
怒りが収まった主任と主任の怒りに我を忘れる姿を目を細めながら注視していた長谷山は満足気に独房を後にした。彼らの仕事は地区原を辞めさせることではなく、最初から地区原を事務処理上、行方不明にすることだったのだ。
しかし、彼らは一つ失念していた。地区原は生まれつき真なる社畜であることを…
数日後、主任が変死体となって道端に倒れていた。
ー第1章完ー
早いようで長い第1章が完結しました。はいそこ早すぎるとか言わない。そんなことを言われると…まいっちんぐお兄ちゃんだぞ☆……はい、すみません調子乗りました。今の私は現役女子大生ですから!ハッハッハッ(中身はおっさん)
とはいえ、ここまでお読みいただきありがとうございました。第2章も近々更新しますのでよろしくお願いします。