あぁ…愛しの1K…
第2話更新です。
私が触れたガラス玉は粉々に砕け散った。一瞬何が起こったのか分からなかったが、ガラスの破片がカラカラと床に落ちる音で状況を理解した。いや、全てを理解したわけではなく、割れたという事実を認識しただけだ。破片は熱を帯びて所々溶けかかっていた。オカルトマニアであれば一体何が起こったのか嬉々として推測することだろう。しかし、今の私は社畜であり、片付けという余分な仕事が増えたことに不満を覚えた。このまま床に散ったガラス片を放置してもよかったが、上司にチラリと一瞥されたため、渋々片付けることにした。ほうきとチリトリを手にガチャガチャと片付けた。結局、仕事は終わらず、タクシーで帰ることになった。
次の日、目覚ましがこの世の終わりを告げるかのごとく、けたたましく鳴る音で目が覚めた。寝不足で朝からパンを焼く気力もなかったため、携帯食である、カロリーメイクをかじった。ものの数分で食べ終わると、顔を洗い、髭を剃り、 身だしなみを整える。くたびれたスーツを着てめでたく全人類が涙なしには見られない出勤である。愛しき我が賃貸に別れを告げようとドアノブに手をかけたその時…!
執筆している間に睡魔に追われる現象に名をつけたい