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3話 超能力?

今回で大体のことがわかると思います。

は……?


俺は呆気にとられていた。英理さんの言っていることが理解できない。


「すみません、もう一回言って頂けますか。」


「え?だから、このコ達が全員超能力者だって。」


超能力者……

そんなの実在するはずない……

なんで、ココにいる?……

なんで俺がココにきた?……


俺の頭の中はパニックになっていた。


そんな時、英理さんが


「信じられないって言いたいのかしら?でも残念ながら本当よ。んー、実演して貰った方が早いかしら。じゃあ、涼君にオネガイするわ。」


そういって、一番右にいる男を指差した。


「わかりました。」


涼という名前の男はそう返事をした。


次の瞬間。パキンという音がして、その男の方を見ると、その手のひらには大きな氷の塊があった。そして浮いていた。


信じられない。そんなことが人間にできるはずが無いのに。


これが、超能力というものなのか。


「信じてくれたかしら?」


ここまで来ると信じるしかないだろう。


「信じてくれたようね。で、キミもこの部隊に入ってもらうの。」


「えっ、俺はなんの能力も持っていませんけど。」


「まあ、いいのよ。詳しい話は1回部屋に戻ってからするわ。あ、皆はもう寮に戻っていていいわ。荷物の整理でもしておいてね。」


そして、部屋に連れ戻された。


「さて、ここが本題ね。あなたはここで政府の為に働く?それとも……?」


英理さんは笑顔で俺に選択肢を迫ってくる。


「どのみち、俺は超能力の存在を知ってしまったので、そのままかえす気はないんですよね?」


勇気を出して訊く。


「さあね?わからないわ。ついでに言うと、アナタの物は私達が預かっている。さっきココに来る時、黒田(サングラスをかけた男)に渡したでしょ。つまり、アナタの荷物はここの寮の部屋にあって、鍵は私が持っている。」


英理さんは現在の状況を述べているだけのように見えるが、俺にとってはれっきとした脅迫だ。


「分かりました。ここで働きます。」


俺は了承した。ここでもがいたってどうしようもないといいながら、俺の心の中はは「ええい、なるようになれ!」といった感じだ。


「そう、よかった。」


英理さんの笑みも今の俺にとっては契約をした悪魔の顔といった感じだ。


「じゃあ、まずココがどんなところなのか説明しておこうかしら。まず、ここは超能力者部隊の為に作られた、施設よ。何かが起こってもバレにくいように、山に囲まれた中にあるし、周辺の土地はだいたいココの物よ。」


この施設がこんな不便なところにあるのはやっぱりそんな理由か。あと、周りに家が無かったのもこういうことか。


「あと、ココに集めたコたちは厳選されたコたちなのよ。話は変わるけど、自然、というのは人間にとって大きな脅威だと思わない?」


「そうですね。人間を滅ぼすこともあるし、人間を助けることもある。」


「そこで、ある人が自然を制することが出来れば、人も簡単に制することができる、と考えて、作られたのがココというわけよ。」


英理さんは俺に向かって目配せをした。


「それは、つまりここにいる超能力者たちは自然を操ることができるということですか?」


「そう、話が早いわね。で、君にはそのサポートをしてもらいたいのよ。」


なるほど。何となく分かった。


「あの、少し聞きたいことがあるのですが。」


「ええ、いいわよ。」


「何で俺が選ばれたんですか?俺は普通の人間だし、人材なら他にもたくさんいたはずです。」


「アナタが選ばれた理由?それはね、占いよ。」


へ?占い?力が抜けてしまった。


「占いっていうのは、ただの偶然じゃないのよ。まあ、偶然といってもいいのだろうけど、結局、何回占っても同じ結果が出るの。運命だからね。占いだから、といってちゃちなものだろう、と考えるのはダメよ。」


よくわからない。つまり、運命だったということか?

英理さんは俺に寮の鍵を渡した。普通の鍵とカードキーだ。俺はカードキーを使うことがあまりないので、少しカッコイイと思った。なんか、未来感?があるし。


最後に1つ気になることがあったので、聞いてみることにした。


「あの、英理さんは超能力とか持ってるんですか?」


「私?私は超能力者ではないけど、魔女よ。」


英理さんは微笑みながらいう。


残念ながら、今の俺には英理さんのいっていることが本当かどうかわからない。

だが、魔女というのも案外間違いではないのかもしれない。


読んでいただきありがとうございます。


果たして、英理さんは、本当に魔女なのか?


次回で明らかに


なりません。

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