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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2020年に作ったもの
493/514

どこか遠くで(ヒューマンドラマ)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


 ずっと羨ましいと思ってたよ。

 君は気付かなかっただろうけど。


 僕の家はいつだってパウンドケーキの焼ける匂いの漂っているようなうちで、つまり、真綿で首を絞められるような地獄ってことだ。

 理由は二つ。二人暮らしの母子家庭で、好きでもない手作り菓子なんて毎日焼くもんじゃないってこと。

 そして、完璧を相手にも求める人との共同生活はひどく疲れるってこと。


 君は毎日笑顔で僕についてきて、僕がもう飽き飽きしているケーキをいつだって美味しいと食べてくれた。

 それだけのことかもしれないけど、それがどれほど僕と母を救ったか。


 たぶん、この手紙は君には届かないと思う。

 母殺しの殺人犯の言葉なんて、僕だって君に見せたくない。


 君との接点を絶つこと。

 あのときも今も、それが僕にできる最大の友愛の証だから。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2020/12/08(火) ジャンル:ヒューマンドラマ

『三題噺ったー!』https://shindanmaker.com/264399 からのお題です。

名無しのVさんは「羨ましい」「パウンドケーキ」「言葉」を使ってなにかお話を作ってください。

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