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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2020年に作ったもの
488/514

魔法の外套(微ファンタジー)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


 男は、外套の下から次々に玩具を取り出した。

 年の割に少しこまっしゃくれた少年は、目を輝かせながらも、そんな自分の期待を素直に認めることはしない。


「魔法だなんて、嘘だ。内ポケットがあるはずさ」

「なくはないがね。こんなにしまえるほどじゃない。嘘だと思うなら見てみるかい?」


 頷いた少年が外套の内側に頭を突っ込んだ途端、男はきゅっとボタンを閉じ、少年の身体を丸ごと中に封じ込めてしまった。

 立ち去った後には、ちり一つ残らない。


 さて、その魔法の外套である私には、私の中の少年の様子も手に取るように分かる。


 今は、山のように積まれた玩具で、友人たちと自由に遊んでいるところだ。

 きっと、戻るべき場所があることなんてすっかり忘れていることだろう。継母から、ひどく虐められていたことさえも。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2020/11/27(金) ジャンル:微ファンタジー

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