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悪徳は純心の前に(微ファンタジー)
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羽をしまった彼の背後から、少女が近寄ってくる。
「お兄ちゃん」
「おっと? 何かな、お嬢ちゃん」
にこやかに答えた彼の背をじっと見て、少女は答えた。
「お兄ちゃん、天使? さっき背中で羽がぶわってなってたよ」
「錯覚だろうよ、お嬢ちゃん」
彼は苦笑で首を振る。幸い、ちゃんとは見ていなかったらしい。
羽は羽でもこりゃあ別の方サ。
君と契約したいともまさか言えないし。
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2020/11/17(火) ジャンル:微ファンタジー
綺想編纂館(朧)@Fictionarys さんの企画「#novelber」
11月の間、各自で毎日1題の物語を作っていく企画です。
Day17のお題は「錯覚」。




