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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2020年に作ったもの
478/514

水は低きに流れ(恋愛)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


 春雷が遠くで鳴っている。

 男の涙は、いつしか柔らかな雨と一体であった。


 雑草のような自分に、温室の薔薇は似合わない。

 女を思い、濡れた地面を睨み付ける。

 明日、別の男へ嫁いでいく女のことを。


 今宵、女は男の訪れを待っているだろう。

 だが、どうしてその手をとって逃げることなどできようか。男との未来は、どの道も今より不幸になるより他はないのに。


 地面に集まった水は、決まったとおり低い方へ流れていく。

 同じ道を辿って、結局は下っていくばかりだ。


 男は知らない。

 今このとき、絶望を抱えた女が、増水した川のほとりでじっと水面を見つめていることを。


 今ならばまだ、間に合うことを。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2020/10/27(火) ジャンル:恋愛

『三題噺のお題メーカー』https://shindanmaker.com/58531 からのお題です。

名無しのXは「雷」「雑草」「ぬれた時の流れ」を使って創作するんだ!ジャンルは「悲恋」だよ!頑張ってね!

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