穏やかなひと(ファンタジー)
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穏やかな主人公の話をしよう。昔々の話さ。
生まれてすぐに両親と死に別れ、孤児院で邪魔者にされながら育った。
人生ハードモード。
けど、愚痴も言わず悪には手を染めずに成人し、結婚して子どもができた途端、無実の罪で捕縛された。
もちろん、彼は白さ。だけどまあ、酷い拷問を受けてね、我知らず自白したらしい。
磔刑にかけられるまで、罪と言える罪はこの偽証だけじゃないかな。
罪のない彼だったもんだから、死んだ彼をついに天使が迎えに来た。
ハードな人生はテストみたいなもんだったんだろ。
合格したからには天国行きの切符が与えられるってこと。
彼はもちろん断った。
扉に背を向けて、「僕より相応しい人を迎えてあげてください」ってさ。
ま、その足で悪魔に魂を売り渡し、それをきっかけに地獄でのさばったらしいから、本心がどうかなんかは知らないぜ。
はっはっは、俺がその悪魔じゃないかって?
いかんよ、君ぃ。思ったことなんでも口に出すようじゃ天使は迎えに来ないぜ。
……願い下げだけどな。
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2020/10/26(月) ジャンル:ファンタジー
『三題噺のお題メーカー』https://shindanmaker.com/58531 からのお題です。
名無しのXは「白色」「扉」「穏やかな主人公」を使って創作するんだ!ジャンルは「童話」だよ!頑張ってね!




