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墓場のあやかし(恋愛)
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今日も縁側から幼女が声をかけてくる。
「のう、お前さま。明日は台風じゃと」
「ふうん」
「十全なる注意が必要じゃと。吹きさらしの場所で寝起きする身は、あやかしと言えども辛かろうな。ましてや幼女など飛ばされてしまうかも」
僕は黙って朝食の支度をする。
墓場に住む御年二百歳超のあやかしについては、祖母からよくよく引き継ぎしているのだ。
「大人の姿で来てくれるんなら、入れてやってもいいぜ」
ぽつりと呟いた途端、幼女はもじもじと悶えてそっぽを向いた。
「お前さまと同じ高さで目を合わせるのは、気恥ずかしくていかん」
……はい、今回も僕の負け。
おにぎりを一つ増やして、縁側に向かう。
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2020/10/08(木) ジャンル:恋愛
『三題噺のお題メーカー』https://shindanmaker.com/58531 からのお題です。
名無しのXは「台風」「墓場」「危険な幼女」を使って創作するんだ!ジャンルは「純愛モノ」だよ!頑張ってね!




