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マシマロとチョコレート(恋愛)
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君の心はいつだって、古新聞みたいながさがさした文字で覆われてる。
英字に仏語、経済面、政治面。
僕はそんな表面の言葉だって好きだけど、中身の方がもっと好きなんだ。
だけど、焦る必要なんてない。
両手にくるんでゆっくり眺めていれば、いつだって君の方から包装シールの端っこを浮かせてくれる。
爪先を差し入れ、丁寧にむいていけば、中から出てくるのはマシマロみたいな柔らかさ。
腕の中にすっぽりおさまって、呆れた声で君は呟く。
「あなたってほんと、チョコレートみたいに甘いんだから」
ほんとに君の言う通りなら、二人温め合えば、きっと溶け合えるね。
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2020/04/06(月) ジャンル:恋愛




