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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2018年上半期に作ったもの
42/514

死者に触れる(微ホラー)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


夜更けになると訪れる。

静かに夜の風を抜け僕の枕元に立つ。

冷たい指先がそっと額に触れた。

――彼女だ。


気付いても、僕は目を開けず声を立てない。

死者と生者は交わってはならないから。


明け方、来たときと同じように彼女はひっそり帰っていく。

――僕は呼吸を止めたまま、また夜の訪れを待つ。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2018/01/18(木) ジャンル:微ホラー

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