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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2019年下半期に作ったもの
403/514

勝ちの見えた賭け(恋愛)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


毎朝僕らは賭けをしていた。

通学途中のタワーマンション、最初に窓を開けるのはどの部屋か。

どちらかが当てたら、もう片方は何でも一つ言うことを聞く約束だ。


見事、正解を引いた僕は勢い込んで君に向き直る。


「……じゃ、じゃあ、今度の土曜、ぼ、ぼく――僕と!」


最後まで聞かないのに、君は勢いよく頷いた。

土曜の約束を固く決めてから、君は恥ずかしそうに笑う。


あの窓で今、手を振ってるのが、私の妹なのって。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2019/11/22(金) ジャンル:恋愛

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