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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2019年下半期に作ったもの
402/514

呼び声(ファンタジー)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


月は青く、仄白く輝いている。狼の遠吠えが響く。

呼ばれていると知りながら、私は黙ってカーテンを引いた。


茶の間でこたつを囲んでいるのは夫と可愛い娘。

にこにこ笑いながら声をかけてくる。

「まま、早く食べよう」


私は、静かに窓辺を離れる。

彼らとは決別したのだ。自分の血とは。

気を抜けば伸びそうな爪を抑え、ワーウルフは静かに食卓につく。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2019/11/18(月) ジャンル:ファンタジー

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