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星灯りのフェアリーサークル(fさん)
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伸ばした手は、透き通る羽をかすめてすり抜けた。
微笑む君に魅せられて、夢遊病のように追い続ける。
フェアリーサークルはくるくる回る。
君の瞳は夢か現か。
微笑みさえも幻か。
簡単に抜け出せる。魔法を打ち破る方法は知っている。
だのに、試そうとも思えない。この心こそが囚われたのか。
朝は遠い。
薄暗い夜はいつまでも続く。
僕が君を諦めるまで。
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2019/06/19(月)
fさんことぎねびあさんの作品は、とても美しくて、まるで夢か幻を見ているような気持ちになります。
音の楽しさ、風景の楽しさ、言葉の並びの楽しさ。
幼い頃の悪夢のような、楽しくてもがきたくなるような、そんな世界が目の前に広がります。
隠すつもりも騙すつもりもなく、うっとりと謳う声だけで男達は競って海中に飛び込む、そんな物語の主人公です。




