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永遠の果実(じぇねこさん)
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硬質な宝石の輝きを手に取り、そっと口許に当てた。
恥じらうように二度、三度、反射が瞬く。
お前を名付けよう、と魔女は囁いた。
赤い唇で、なぞりながら。
透き通る生と死の狭間、深い青のまなこ見開くお前。
朽ちぬ光で、永久を見詰めるお前に相応しい名を。
お前の名はオーレリア。
この世の果て、イデアの美をあかすもの。
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2019/05/27(月)
少女も、獣も、虫たちも、じぇねこさんの筆にかかれば、滴るような色気を放ちます。
ご本人の日々の言葉は、飾らぬ素直さでただ真っすぐに届くのに、物語る時には妖しさすら感じる優美さを含む筆。美しく愛らしい生の営みの、この上ない表現者。
禁断の果実に口付け、甘やかに凍てつく時間の支配者たる、物語の主人公です。




