カウガールの獲物(173さん)
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くっちゃくっちゃと、頬を鳴らして風船ガム。
大きく張ったテンガロンハットの影、そばかすの肌にカールした金髪がかかっている。
真っ赤な唇を歪めて、カウガールは笑った。
対峙するのは、白亜紀の王者ティラノサウルス。
巨体を屈めてぎろりと彼女を睨み付ける。
鼓膜を震わす吠え声を間近で浴びながら、顔色変えず、ぺっ、とガムを吐き捨てた。
大きく開かれた顎が降ってくる。
暴君の牙に、華奢な体が覆い隠された――その時。
女の手には、いつ抜き出したのか二丁拳銃。
ブローニング・ハイパワーの銃口から、だだだだだっと連続音。
痛みと恐怖で背を反らせた暴君の、頭がぐらりと揺れる頃には、彼女はそこにはいなかった。
巨体の倒れる地響きを背後に、立ち上る煙にふっと一息。
さ、次の獲物を探しに行かなきゃ。
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2019/04/25(木)
カブと恐竜、武器と戦艦が大好きなやんちゃっ子、173さん。
大好きなものをこれでもかと言うほど詰め込んで、くどくしないのが173さん流。
格好良くってセクシィ、大人っぽくってキュートな、物語の主人公です。