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噂の傭兵(ながるさん)
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その男には奇妙な噂がある。
一匹狼、凄腕の傭兵だと言うが、過去の相棒達は皆、口をつぐんでいる。
今宵は酒場で、異国の少年と夢を語り合っていた。
意気投合し、共に冒険に赴こうと、同じ宿を取った。
翌朝、早くから慌ただしく駆け回る傭兵の足音が響く。
「お弁当持った? 財布は? 水筒、外套は大丈夫?」
外見とは打って変わった甲斐甲斐しさに、少年は目をパチクリとまばたきさせた。
どうやら昔の仲間は皆、この世話好きな様子に驚いて離れたらしい。
少年は一つ頷いて、異国の言葉で呟く。
「ジークモナガル……?」
傭兵と少年はいずれ、かの壮大なる世界樹防衛戦で一功上げ、世界に名だたる傭兵団を打ち立てるのだが……それはまた、別のお話。
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2019/04/19(金)
いつも元気でイケオジが大好きな、みんなのおねーさん。
この方にかかれば、異国の少年だって大人しくその勝利を祝うしかなくなるのです。
辛いことがあっても、前を向き最後には「あはは」と笑える力強い主人公の物語です。




