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端役の恋(恋愛)
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「愛しています」
あなたを前にして、口に出来たのはそれだけだった。
舞台の上で私に与えられたのは、恋人と取り違えられ射殺される女の役。
友人は止めたわ、私を馬鹿にした配役、とるに足りない端役だって。
だけど今、私、舞台の上であなたと同じスポットライトを浴びている。
あなたの目は私だけを見ている。
たくさんの視線と光を受けて、恍惚とした眼差し。
こうしてあなたの視界に入れるのなら、それだけで。
さあ、後は見事に退場するだけ。
暗殺者よ、お出でなさい。
私きっと最期まで目を逸らしたりしないわ。
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2019/03/27(水) ジャンル:恋愛