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迷子の天使(微ファンタジー)
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迷子だ。人生の迷子。
僕はどこから来てどこへ行くんだ。
いや、迷子じゃ伝わらないなら、記憶喪失と言っても良い。
とにかく、ここはどこで僕は誰で、これからどこへ行けば良いのか分からないんだ。
ふらふら街を歩いていると背中からポンと肩を叩かれた。
「よ、探したぜ」
おお、いかついおにーさん。
強面だけど、僕のこと知ってる人なら、今はどんな人でも天使に見えちゃう。
目をキラキラさせる僕に、強面天使はにかっと笑ってこう言った。
「あんたが戻ってきたなら安心だ。俺の方も思い残すことはねぇ。じゃあ、連れてってくれよ、あの世へ」
えっ!? 待って、天使は僕の方!?
ちょっとー!? 記憶さん戻ってきてー!
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2018/02/17(日) ジャンル:微ファンタジー




