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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2019年上半期に作ったもの
286/514

月曜日の彼女(ヒューマンドラマ)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


月曜日だけ同じ電車になるんだ。

セーラー服の彼女は、月曜日はいつも3番目の車両に乗っている。


何故だろう。何故月曜日だけなんだ。

通院してる? 日曜の別荘から通ってる? それとも、彼氏の家からの朝帰りなんかだったりして?

最近は月曜の電車に乗るたびに、謎めいた彼女を探し出し、観察するのが密かな楽しみになっている。

これなしじゃ、もう月曜日なんてダルくてどこに行く気にもならない。


「それなんじゃない?」

「は?」

妹はつまらなそうにアプリげーをぴこぴこやりながらぼやく。

「月曜は自転車こぐのがダルいから、電車乗ってるだけじゃないの?」

いーや、決してそんなつまらん理由じゃないはずだ。絶対。

彼女に謎がある限り、僕は月曜日に期待を持てるのだから。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2019/01/07(月) ジャンル:ヒューマンドラマ

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