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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2018年下半期に作ったもの
265/514

また明日(ヒューマンドラマ)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


駆け寄って、大丈夫?と尋ねてみたら、顔を上げた君は泣いていた。


「大丈夫なんかじゃないよ……」


何とまあ弱気なことを。

鼻息を吹いてみせると、君は一瞬だけくすぐったそうな顔をした。

泣き笑いの顔で、首を振る。


「……だって、こんなの大丈夫になれないし」


呻く君の膝に頬を擦り付けた。

君はまたぽたぽたと涙を落としながら、僕の身体を抱き上げる。


ニンゲンって便利だなぁ。

49日の間はまだ、夢でなら会って良いんだって。


明日の再会を約束して、尻尾を立てた僕はするりと夢を抜ける。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2018/11/28(水) ジャンル:ヒューマンドラマ

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