223/514
連鎖画廊(微SF)
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
静かな画廊に一続きの絵が並べられている。
飾られた絵にはストーリーがある。
一人の男が足を踏み入れた場所で絵を見付け、作品を順に眺めていくというものだ。
最後の方に描かれているのは真っ黒な扉だ。
男は近寄り、絵の中に手を差し込み、ドアノブを握る。
そうして、扉の向こうに男の背中が消えた後に、黒い扉だけが残るのだ……。
ふと現実に戻って気付く。
僕の前にもまた、男の消えた扉の絵があるということに。
さあ、この扉に、手を伸ばすべきか否か。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
2018/09/23(日) ジャンル:微SF