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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2018年下半期に作ったもの
213/514

レッツダンス(適当な妄想)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


僕の頭の中では気忙しく、不機嫌そうな彼女があいつの手を引いている。

駆け抜ける後ろから黒猫が1匹、無表情にこちらを見てにゃあ、と鳴く。

抱き上げようとしたけど逃げられて、後ろからきた白い狼に呆れ顔で吠えかかられた。


次々に駆け抜けていく人々と、手を繋いでダンス。

一曲踊り終わる前に、次の輪へと導かれる。


さあ、こちら。お次はあちら。

登場人物は目まぐるしく入れ替わる。

王様も騎士も大魔王も、王女も魔女も村娘だって、皆、それぞれに回りながら通り過ぎてゆく。


この集中力のなさが、物語の没入感をなくすのかしら……なんて、少々落ち込みながら、今日も原稿用紙に向かう。

さあ、レッツダンス。次のお相手はどこだい。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2018/09/11(火) ジャンル:適当な妄想

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