手のひらの一滴

2018年下半期に作ったもの

老いてなお（恋愛）

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「そうは言うがね、私にだって青春というものもあったのさ」

笑いながら吐き出した時代遅れの紙煙草の煙が、シルバーブロンドに纏わり付く。

「おや、笑うかね。信じないことを非難するつもりはないが……大丈夫かい？」

何が、と尋ねる前に老眼鏡の目の前まで引き寄せられた。

「春は何度でもやってくるものなのだよ、レィディ」

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2018/08/01(水)　ジャンル：恋愛