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手のひらの一滴  作者: 狼子 由
2018年下半期に作ったもの
140/514

気付いてはいけないこと(微SF)

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


満員電車の中、揺れた拍子に隣の男に脇腹を突かれた。反射的に湧き上がる怒り。

ああ、殺意で人が殺せたら。

周りをぐるりと見渡す。ぎゅう詰めの社内、僕を睨む人々の顔。

ぎょっとして目を逸らすと、全員の視線が一斉に外れた。


……あれ、ひょっとして僕は今、気付いてはいけないことに気付きそうになったのでは。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


2018/06/06(水) ジャンル:微SF

注目されることが既に恐ろしいのです。

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