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気付いてはいけないこと(微SF)
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満員電車の中、揺れた拍子に隣の男に脇腹を突かれた。反射的に湧き上がる怒り。
ああ、殺意で人が殺せたら。
周りをぐるりと見渡す。ぎゅう詰めの社内、僕を睨む人々の顔。
ぎょっとして目を逸らすと、全員の視線が一斉に外れた。
……あれ、ひょっとして僕は今、気付いてはいけないことに気付きそうになったのでは。
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2018/06/06(水) ジャンル:微SF
注目されることが既に恐ろしいのです。