惚れ薬
私は世界一有名で、世界一お金持ちの研究者だ。
私に作れないものはない。
ある日、みるからにおとなしい少女が私を訪ねてきた。
少女は私に、惚れ薬を作ってくれ、と頼んできた。
同級生の男の子が好きなのだという。
しかし、彼はクラスの人気者。
自分は正反対のクラスの隅っこにいるような女の子。
一生かかっても彼と付き合えることはない。
1日だけでいい。彼と両想いになりたい。
彼女は泣きながら私に懇願してきた。
哀れに思った私は惚れ薬を作った。
一滴だけでも数日もつため絶対に一滴以上の服用はさせてはならないこと、
服用はどのような形でもよいこと、
服用後に最初に見た相手をすきになることなど、
いくつかの注意点を彼女に伝えた。
彼女の嬉しそうな顔を見て、私もとても嬉しくなった。
数日後。
彼女は私にお礼をしに訪ねてきた。
彼女からのお礼のクッキーを食べながら、私は彼女に一生を添い遂げることを誓った。