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第3話 完成!UMEDAデッキ!!

主人公たちの外観の描写が薄いことに気が付きました。

後ほど1話2話辺りに描き足しますが、イメージはこんな感じです。

(注記:6月12日の修正で書き足しました)


アリューナ:見た目18歳位の北欧系美女。透き通るような肌、銀髪ロング、グレーとグリーンの中間のような瞳の色をもつ長身の超絶美女。Gカップ巨乳と悩ましいくびれ、慎ましいお尻とスラっとした手足というグンバツなプロポーションを薄衣の神官服(?)で覆っているが覆いきれてない感じ。手にするのは白銀の杖。先端に青い宝玉があり、その宝玉と杖本体を繭のようにも見える装飾がつないでいる。


フミト小学2年生:目が覚めると貫頭衣のような白い衣を着ていた。今のところ得物はなし。ヘヤスタイルはひっきー時代を継承した伸び放題ロン毛だが、本来の美少年だった頃の容姿を取り戻しているのでビジュアル的にはスレンダーな美少女に見える。白い衣とロン毛があいまって巫女さんのようでもある。フミトはまだ気がついていないが、デパガたちは結構小2フミトを意識している。


デパガたち:基本それぞれの売場の制服を着ている。まだ登場していないがファッション系はそれぞれのブランドを着ていたり、制服のない部署のキャラクターはタイトなスーツだったりする。


 いやちょっと待て。

 俺はPCで召喚されたから勝手にそう思い込んでいたけど、この世界のルールにデジタルゲームのセオリーはあてはめらないかもしれん。

 そもそも、もともとのTCGトレーディングカードゲームにカード自体の強化なんて概念はないしな。

 もちょっと冷静になろう。


「アリューナ、トレカのパラメータわかるか?」

「カードを指定していただければ出来るでおまんねん」

「んじゃ、ダブリで出た私服警備員とりあえず見て」

「ぽちっとな」


 パラメータウインドウが開いた。


 名称:駅前デパートの私服警備員のおねえさん

 レアリティ:N(ノーマル)

 コスト:8

 所有枚数:2枚

 限界突破回数:0

 HP(ヒットポイント):1200/1200

 MP(マニューバポイント):30/30

 LV(レベル):1/25

 スキル:体術LV1/5

 アビリティ:ステルス性能LV1/5

 STR(ちから):50

 VIT(たいりょく):60

 DEX(きようさ):90

 AGT(すばやさ):100

 INT(かしこさ):30

 LUK(こううん):70


 うーむ、思いきり育成前提じゃん。

 リザルトで成長の書がドロップしたけど、一般的なデジタルゲーム準拠だと強化アイテムではレベルが上がってもスキルやアビリティは上がらない。

 スキル強化アイテムとかアビリティ強化アイテムとかが設定されてるゲームもあるが、大概はカードをカードに喰わせて(デッキ構成上不要なカードを強化アイテムとして使って)、必要なカードを強化する、というのがセオリーだ。

 そして、あたり前だが、強化素材として使ったカードは消滅する。

 フミトはまだ焼肉を食べながら談笑しているデパガたちを見た。

 はあ…。

 生きているトレカって、そんなの餌にするの無理だよ…。


「フミトどのぉ」


 アリューナが不満そうな声を上げた。


「わたしももう少し焼肉食べたいんですけどー。女子トークもしたいんですけどー。ガチャ引くならさっさと残りも引いてくださいませんかねー」


 コイツ俺の苦悩も知らないでムカつく!

 フミトは両手の中指をビシっと立てると、アリューナの左右の耳の穴を同時に高速ホジホジした。

 秘技二穴責め!


「おっほほほおおー!」


 パッカーン!パッカーン!

 アヘるアリューナの声に間抜けな音響効果(SE)がかぶさり、SR30%ガチャ2枚が排出された。

 ふっ即イキとは堪え性のない…。

 おっ1枚はSR(スーパーレア)、1枚は残念ながらR(レア)だ。

 初の星4つ(SR)ゲットである。


 名称:大丸梅田店テナント担当のおねえさん『松坂さくら』

 レアリティ:SR(ス―パーレア)

 コスト:24

 所有枚数:1枚

 限界突破回数:0

 HP(ヒットポイント):4200/4200

 MP(マニューバポイント):200/200

 LV(レベル):1/50

 スキル:アイテム召喚LV1/10、懐柔LV1/10

 アビリティ:治癒LV1/10

 STR(ちから):120

 VIT(たいりょく):140

 DEX(きようさ):200

 AGT(すばやさ):180

 INT(かしこさ):230

 LUK(こううん):110


 名称:阪急百貨店うめだ本店祝祭広場担当のおねえさん『中山みね』

 レアリティ:R(レア)

 コスト:16

 HP(ヒットポイント):2500/2500

 MP(マニューバポイント):110/110

 LV(レベル):1/40

 スキル:混乱LV1/8

 アビリティ:STR・VIT増強LV1/8

 STR(ちから):90

 VIT(たいりょく):110

 DEX(きようさ):80

 AGT(すばやさ):80

 INT(かしこさ):150

 LUK(こううん):130


 解説しよう!

 大丸梅田店は30年以上前に大阪駅の新駅ビルの核店舗として出店、さらに近年の駅及び関連施設の大改装にあわせて増床したが、その際、従来型の百貨店と異なるローコストハイパフォーマンス経営をするべく当時まだ珍しかった百貨店内へのテナント誘致を積極的に進めた。

 百貨店とショッピングセンターのいいとこどりを狙ったのである。

 結果、上層階に東急ハンズ、ユニクロ、ポケモンセンター、トミカショップが誘致された。

 梅田という好立地での展開ということもあり、旅行客をはじめ従来の百貨店顧客とは違う層の取り込みに成功している。

 ちなみに屋号は『大丸』であり、『大丸百貨店』と呼称するのは誤りである。

 さらに梅田店は『うめだてん』ではなく『うめだみせ』と読むのが正しい。

 しかしながら大丸東京店は『とうきょうみせ』ではなく『とうきょうてん』である。注意が必要だ。


 阪急百貨店梅田本店は大正時代の開業から数えて9期にわたる増床により規模の拡大を続けたが、施設の老朽化、また昨今脅威となっている地震・津波災害への対応の両面から全館建て替えに踏み切り、下層階は百貨店、上層階はオフィスビルという高度土地活用を実現した新・阪急うめだ本店としてリボーンした。

 増床に次ぐ増床で迷路化していた旧本店から一新、見とおしがよく買いやすい店となった。

 また大阪のファッションの震源地たるべしという気概から、国内外のラグジュアリーブランド、ナショナルブランド、そして若手クリエイターたちのポップアップ出店やアンテナショップなど最新モードに至るまで商品構成が充実した。

 なかでもかつて大催事場と呼ばれおせじにもファッション性が感じられなかったイベント場所は、新たに『祝祭広場』と名付けられ、大きな吹き抜けや観客席にもなる大階段、併設されたホールやギャラリー、アートエリア、カフェなども含め、トレンドに敏感な世代への情報発信空間としての役割を与えられた。

 ファッション感度の高い人々の新しい聖地たるべし、というコンセプトである。


 これで梅田の三大デパート、阪急・阪神・大丸のカードが揃った。

 本当はJR三越伊勢丹もあるのだが、現在はショッピングセンター『ルクア1100(イーレ)』に業態転換しており、フミト基準では百貨店のカテゴリーから外れる。


 SR『松坂さくら』カードに強化の書LV1を3枚重ねた。

 ファファーンという音響効果(SE)とともにレベルが上昇しHP、MPなどの能力値がアップした。

 HP(ヒットポイント):4200/4200 → 4200/4250

 MP(マニューバポイント):200/200 → 200/205

 LV(レベル):1/50 → 2/50

 スキル:アイテム召喚LV1/10、懐柔LV1/10

 アビリティ:治癒LV1/10

 STR(ちから):120 → 122

 VIT(たいりょく):140 → 143

 DEX(きようさ):200 → 202

 AGT(すばやさ):180 → 183

 INT(かしこさ):230 → 234

 LUK(こううん):110 → 111


 レベルアップ時に能力値は即上がるが、HPとMPは最大値だけが上がり現在値は据え置きとなるようだ。

 レベルアップを利用したHP・MP回復はできないということか。気を付けないとな。

 そしてやはりスキルやアビリティはレベルアップアイテムでは上昇しないようだ。

 予想どおりだな。

 確認できたので、よしとするか。


「ほい終わり!アリューナ行っていいぞ」

「わーいお肉~」

「残念、食べ終わっちゃいました~」


 ちゅどーん。

 アリューナは爆発した。どくろのようにも見えるきのこ雲を上げて。


 黒こげ、服はぼろぼろ、ご丁寧に黒い煙を口から吐いてるアリューナの幻想(イリュージョン)はガン無視して、いったんデパガをカードに戻し、デッキの再構成をする。

 SR『松坂さくら』、R『福島ミカゲ』、R『中山みね』をセットし、UC『生活雑貨売場のおねえさん』を組みこもうとしたところで警告ウインドウがポップアップした。


『コスト不足です:56/60』


 ああ、そうか。編成コストに上限があるんだ。

 手持ちカードのコストを調べると、Nカードはコスト8、UCが12、Rが16、SRが24となっている。

 現在のフミトの編成コスト上限は60。

 先ほどのデッキはR1枚、UC1枚、N3枚だったからコスト52、5枚フルに組むことが出来た。

 フミトはちょっと考えた。

 SRはまだ『松坂さくら』の1枚だけだが、HPだけでもNの4倍近くあるし、全体にパラメータがかなり高く、おまけにデュアルスキルだ。レベルも1段階上げたことだし、これは外せない。

 Rを落としてSR+UC+N+N+Nでちょうどコスト60だから5枚フルセットのデッキは組める。ほかにSR+R+UC+Nの4枚デッキという構成でもちょうどコスト60となるが、さっきの福島ミカゲの手際を考えると、たとえ3枚でもレアリティの高いSR+R+Rのデッキのほうがよさそうだ。

 それに…、NやUCでもマックス強化できればそこそこ戦力になるが、強化しづらいよ、やっぱり。


「よし、これでデッキセット決定!」


 フミトは決断した。

 さくら、ミカゲ、みねの3枚のカードが赤い光に囲まれ、『UMEDA CONNECT』の文字が浮かぶ。おお、能力発動っぽい!

 なんかかっこいいぞ!


「よし、準備完了」


 アリューナを見ると、まだ黒こげのまま必死で自転車をこいでいた。


「もういいよやりすぎだよ念じてやる(イマジネーション)

 …(もうギャグアニメのノリは消えたかな?)

 アリューナ、次の階層を攻略するぞ。転移頼む」


「承知したのにゃ!」


 黒こげから一瞬で復活するとばふっとアリューナの頭にねこ耳が立ち上がり、しっぽがしゅぼっと伸びた。

 もふもふな肉球手袋をはめた両手を両ほほに添え、腰をひねるポーズを決める。


「ではー出発なのにゃ!」


 今度はケモ娘かよ!

 わざと残念な方向に向かってないかアリューナ?


 そしてフミトはこの後まもなく、カードの強化をしなかったことを後悔することになる。

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