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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
最終章人間とは
98/124

笑うピエロその二

「どうだ?」

「怪しい人間はいませんでした…」

「本当か?」

「ほ、本当ですっ!」


喉元に冷たく鋭い感触が伝わり、身体が強張り硬直している。


「ピエロさん不味いですよっ?!身内に手を出すのはっ?!」

「お前、この俺に意見するの気か?ひっひひ」

「い、いえ、そんなつもりはないですが…。上に知られると不味いと思って」

「そ、そう言えばっ!普段見ない男二人が魚を買って行きましたっ!」

「ほ~ら、何か知ってた。ひっひひ…、それで特徴は?」

「特に目立った所はありませんよっ?!」

「本当か?嘘だったら、どうなるか考えてみろ。ひ~ひひひ」

「嘘じゃありませんっ!信じてくださいっ!」


当たっていた、鋭い感触が離れて行くのがはっきりと理解できる。


「それは嘘ではないみたいだな。この港周囲に人を配置しておけ、ネズミを罠に引っ掛ける」

「は、はいっ!」

「楽しい、楽しい。カーニバルの始まりだっ~、ひーひひひッ!」


大した理由もないに刃物を突きつけるこの怪人ピエロは、組織内でも頭がもっともイカれていると言われている。

この怪人の恐ろしい所は二つある。

一つ目は他人の命を毛程とも思っていない。

二つ目は異常に回る頭だ。

組織内の人間はピエロの頭脳を最も恐れている。


そもそもなぜ、灰色の狼がA市の港に現れると踏んだのか。

答えは簡単だ。

ここを仕切っている会社が怪人クラブと取引を頻繁にしている事とわざと情報を流したからだ。


この港で取引をするのは事実。

その取引自体を利用する訳だ、そもそも標的はこの港のどこで取引するかも解っていない。

港で取引が行われると言う情報を流しただけ。


その日の夜の事だ、A市の港は黒服を来た男達と黒タイツを着た人間達がうろついている。


「物は?」

「こちらです」


スーツを着た男が黒服の男を倉庫に案内する。


「おい…」

「はいっ!何でしょう、部長っ!」


黒服の後ろにいた、主任と言う腕章をつけた黒タイツの男が返事をする。


「誰にもつけられていないか?」

「はいっ!異常はありませんっ!」

「そうか、それでは取引を始めましょうか…」

「ご依頼の品はこちらですよね?」


大量の大きな木箱の中にハンドガン、マシンガン、ロケットランチャー。

それに大量の弾丸が詰まっていた。


「確かに、ありがとうごさいます」

「いえいえ、こちらこそ」

「運べ」


責任者同士が安心しきっていた時だ。


「随分とベタな取引だな…」

「誰だっ!」

「どこにいるっ!」

「ん?」


真上の天上から埃がちらちらと落ちてくる。

すると轟音と共に人影が落ち来る。


土煙の中に中腰の人がいる。


「まさか…、灰色の狼かっ!撃てっ!撃てっ!」

「ぐぁっ!」

「まさか、本当に…。うぁっ!」

「安心しろ命は取らない」

「相変わらず、あまちゃんだなっ!ひっひひひっ!」


不気味で甲高い声か倉庫内に反響する。


「お前は…、やっぱりいたのか」

「ひっひひひ、やっぱりって言ったか?それはそうだろ?わざわざ待ってたんだからなっ!

会えるのを楽しみにしてたぜ、灰色の狼」

「俺を捕まえに来たのか?」

「はぁっ?捕まえる?ひゃっははははっ!うちらがそんな事するかよっ!

お前、頭大丈夫かよ?俺達が何者か知ってるよな?殺すに決まってんだろっ?」


突然、マシンガンが両手に現れる。


「ひゃっははははっ!」


倉庫に中は障害物が多い為、銃弾を避けるのは容易いが近づけない。


「流石に素早いなっ!これは?」


ガトリングガンをどこからもなく取り出し、無差別に撃つ。


「ピエロさんっ!味方に当たりますっ!」


銃弾の嵐の中、後ろを見ると入り口が開いていた。

超能力を一瞬だけ使い、一気に外に出る。


「何っ?!」

「随分と単純だったな」

「そうですね」


そこに待っていたのは多量の銃と怪人クラブの戦闘員だった。


「くっ…」

「ひっひひひ。こんな、単純な手に引っかかるとな?まずはその犯罪者の顔を見るとしよう…」


絶対的な危機的状況に冷や汗を流すが、この状況をどうにかできなかったら意味がない。

腰に刺さっている、レーザーブレードを握り一直線に高速で突っ込む。


「何っ?!撃てっ!」


そろそろ能力の使用時間が切れそうだ。

敵に突っ込んだのは戦う為ではない。

敵を数メートル放した所で煙幕を巻き、その場から立ち去る。


「ひっひひひ。中々、やるじゃん」

「良いんですかっ?!逃が…」

「この俺様に意見するのか」


部下の口に銃を押し込む。


「これから楽しくなりそうだな。ひっひひひっ!」

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