灰色の狼と新世代その五
「今月に入って、12件目だとっ!?」
「はいっ…」
「ちゃんと入金はしたのかっ?!」
「しましたよ…」
「はー、ボスになんて言えば良いんだ…」
会社で良くある日常会話をしているのは怪人クラブ、総務課である。
怪人クラブは表向きは一般企業の格好をしている為、総務課で全ての従業員の登録もしている。
もちろん普通の従業員ではない、人間達の登録もしている。
取引のやりとりも総務課を通している。
特に武器、火薬、麻薬の取引は頻繁に行っている。
それと政治家、有力者、ヤクザに人材派遣も資金源として行っている。
一般企業を装っているのだからもちろん、会社も経営している。
大型スーパーマーケット、不動産業、建築関係、何でもござれ。
これも全て警察やヒーローの手から逃れる為の隠れ蓑だ。
だが今回、灰色の狼に大口の取引先を潰された。
「なんでもっと早く知らせなかったっ!ふざけるなっ!」
「す、すいませんっ!」
「良いかっ!最近、あの野郎が調子に乗ってる所為で取引先がどんどん潰されてっ!
いくら損害を出していると思ってるんだっ!お前の仕事は振込みだよなっ!あぁっ!」
「ちょっと待って下さいよっ!振込みはちゃんとしましたよっ!」
八つ当たりが始まった。
上司の機嫌が悪くなって、部下に突っかかるのは世界中どこでもある事だ。
「おいおい、上司が癇癪を起こしたらみっともないぞ?」
「あぁっ!何だっ?ピエロ…。お前、良い所に来たなっ!灰色の狼を始末して来いっ!」
軽快に口を開くが言ってる事は非常に物騒だ。
「あぁ~、そのつもりでここに来たんだぜ?俺様は?」
かいじんホールディングス、総務課所属内務清掃係怪人ピエロ。
「方法は何でも良い、奴の首を持って来い」
「解りました」
怪人ピエロ。彼の仕事は内部で問題が発生した場合、早急に対処をする仕事をしている。
取引先との衝突が発生した場合、敵対勢力との問題点などを主にしている。
今回の様な利益に直結する問題は特に重要視している。
ましてや、離反者が危害を加えている可能性が高い場合は特にだ。
怪人クラブには破ってはいけない鉄の掟がある。
一つ、力無き者に手を出すべからず
二つ、親、兄弟に手を出すべからず
三つ、不義理な事はするべからず
これを破った者は制裁を
特にこれを守れなければいけないのは、組織犯罪に関わっている幹部含む戦闘員だ
「ひっひひひ…」
不気味な笑声を上げながら、廊下を音を立てて歩く。
「デマ情報を流せ、必ずネズミは引っかかる」




