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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
最終章人間とは
93/124

灰色の狼と新世代その二

東京湾決戦から一年、周りの様子が変わった。

まず自分がヒーローとして、世間に認知されている事だ。

それが一番驚く事でしかも、いきなり上位に近い位置に名前がランキングされている。

少し前はただのサラリーマンだった普通のおじさんだった。

それが今では、レッドウルフと言う自分には絶対似合わない名前が付いてる。

怪人現れれば、真っ赤なスーツを着て事件を解決。

まるで映画とか、コミックスの中のシンデレラストーリーと言いたい所だが。

妻の不倫が原因で離婚。正直、今でも引きずっている。

でも、相川さんと言う素敵な女性と出会えた。

一年の中で一番の変化だ。


変わったのは自分の周りだけではない。

元怪人クラブの幹部が株式会社ヒーローに入社して、新人ヒーローとして活躍している事。

それにブラッククロウとあだ名をつけられた、犯罪者は将来を期待された見習いヒーローとしてアルバイト中。


「ねぇ~、あれ?レッドウルフじゃない?」

「あっ!本当だっ!」


二人で商店街を歩いていると、女子高生二人がこちらを見ている。

自意識過剰と他人に陰口を叩かれても文句は言えない。


「本当だ、レッドウルフだっ!」


通行人も気づき始める。

やはり、世間の注目度は高いらしい。


この世界でのヒーロー業界でデビューをして、たった一年でランキング25位に昇格するのは殆ど前例が無い。

だが二件だけ例外がある。日本のヒーロー代表ミスターとその息子シルバーナイト。

特にシルバーナイトはデビューしてから、三ヶ月でランキング外から一気に20位になった。


「あの~、よかったらサイン貰えます?」

「あ、いいですよ」

「ありがとうございますっ!」

「それと聞きたい事があるですけど、良いですか?」

「何ですかっ?!もしかして、事件の調査ですかっ!何でも聞いて下さいっ!」

「今ニュースで話題になってる、灰色の狼の事なんですけど。何か知っている事はないですか?」

「う~ん。関係あるかわかりませんが、この間学校帰りに二人に耳が耳が付いてるヘルメットを被った人がバイクに乗ってました

スピードが速くて顔は良く見えませんでしたけど」

「それ、どこで見た覚えてませんか?」

「学校近くの道路だったと思います」

「ありがとう。協力ありがとうごさいます、早く学校に行くんだよ」


登校途中の女子高生の証言を頼りに電車に乗り、県立A市高校に向うがやはり視線が集まる。


「なぁ、車の方が良くね?」

「はい、私もそう思います」


駅に着き、大勢の学生が電車から降りる。

その中に白髪頭とおじさんがいると目立つ。


「どうする?その辺の奴に聞いてみるか?」

「そうですね」

「部長、頼んだ」

「え?また?」

「お前の方が都合が良いだろ?」

「じゃ~、行って来ます…」


まず、多くの人を見ている駅員に話を聞く事にする。

上司命令なので仕方がない。


「あの~、私株式会社ヒーローA市支社所属の者なんですけど…」

「ヒーローさん?手帳見せて、最近はなりすましも多いからね」


首にぶら下がってる、社員証を見せる。

疑い深い駅員の表情が一気に凍りつく。


「これは大変失礼しましたっ!加藤努さんでしたかっ?!それでどのようなご用件でしょうか?」

「灰色の狼の事を調べていまして、何か知っている事があれば教えて頂きたいのですが?

この近辺で目撃したと言う情報がありまして」

「あー。最近ニュースで良く見ますよね。この辺で見たって騒いでるのを聞きましたね~」

「それ、どの辺か解ります?」

「そこですよ、駅を真っ直ぐ言った道です。直ぐ解ります」

「ご協力ありがとうございます、それでは失礼します」


二人は駅員に情報通りの道路に到着した。


「別に何もありませんね…」

「あれ、タイヤの跡ぽくね?」

「どこですか?あ、あれですか?」


30メートル程先の信号の真下にタイヤの跡が薄く残っている。


「曲がったんでかね?」

「そうみたいだな…」


路面にはカーブを曲がったような跡が残っている。


「他に手かがリは…」


周辺を見渡していると、警報が鳴る。


「おいおい、まじかよ…」

「こんな所に獲物がいたぞ」


怪人が現れる。


「どうする?」

「相手するんですか?」

「めんどくさいな…」

「おいおいっ!聞こえてるぞっ!俺が怖くないのかっ!俺は怪人ナイフ様だぞっ!」

「「別に」」

「随分、余裕だな。ヒーローが来る前にお前らを…」


一瞬の内に炎の壁が怪人と二人の間を遮る。


「何っ?!誰だっ?!」

「そこまでだ怪人。俺はアイス&ファイヤーハンドだ」


その姿を暢気に眺めていた二人。


「新人ですかね?」

「俺はしらねぇよ」

「二人はそこでじっとしていて下さい。直ぐに片付けます」

「随分、生意気な口を聞くじゃむねぇかっ!ん?」


怪人が動こうとした時、足が何かにくっついている感触に気づく。


「お前の足元は凍らせた。投降すれば、危害は加えない」

「はぁっ!てめぇ、なめた口聞いてんじゃなぇ・・・」


直ぐに決着はついた。


「怪我はありませんでしたか?」

「無事だよ、君すごいね」

「俺はミスターアイス&ファイヤーハンドです…。あの、もしかして加藤努さんですかっ?!」

「そうですけど」

「すいませんっ!あいさつが遅れましたっ!四月に入社したばかりで…」

「良いんだよ別に。それより、君すごいねあの怪人を一瞬でやっつけた」

「ありがとうごさいますっ!それでは失礼します」


物凄い新人と遭遇した所で調査を再開する。


「しかし、今時の新人はすごいですね~。氷と炎を同時に操るとか」

「そうだな~。あっ!監視カメラ発見っ!」


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