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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
最終章人間とは
92/124

灰色の狼と新世代

『最近、灰色の狼と呼ばれる者による犯罪が後を絶ちません。

被害者は黒い噂が絶えない企業の社長です。

しかも、怪人クラブと取引とあると噂されています』


テレビを見ながら、スナック菓子を頬張る音が一室に響く。


「おはようごさいます~」

「よぉっ!部長っ!」


その光景を何時もの事だと流して、自分のデスクに腰を下ろす。

視線の先に書類の束が意味ありげに置いてある。


「ふぁ~、あっ!キバっ!てめぇ、また俺のぽてちをっ!」

「いいではないか」


炭酸の音も響く。


「コーラも飲んでんじゃねぇっ!」

「ぷはーっ!」

「今週のジャンプ返せっ!」


いつの間にか雑務課も賑やかになった。

部屋の真ん中に席を占拠しているのは二頭身の生物、キバ。


「ダーリン、おはようっ!」

「姉さん、おはようございます」

「私ね、怪人クラブ辞めてこっちに転職したの。これからよろしくねっ!」

「はっ?」

「そうですか。こちらこそ、よろしくお願いします」

「じゃ、私は仕事があるからまたね」


嵐の様に通り過ぎて行った、元怪人クラブ最上位戦闘員姉さん。

組織を辞めたと言うのは事実なのだろうか、この会社に工作員として潜入している可能性も考えられる。


最近の話になるが東京湾決戦後、怪人クラブから退職する人間が増えていると言う話を耳にする。

だが、犯罪組織を抜けるのは簡単なのだろうか。

日本のやくざは抜ける時はけじめとして、指を一本詰めると言うがあれは嘘である。

やくざを辞める時はすんなり抜けられる。

その理由はシノギを仕切っている人間が辞めれば、その席が空く。


『最近、狼が流行ってますね。レッドウルフをまねをしたファンですかね?』

『理由はどうあれ犯罪ですからね、早く犯人の逮捕を祈るばかりですね』

『話題を変えましょう、レッドウルフの活躍がすごいですね』

『彼がデビューしてから、一年。何と、新人と異例の25位ですよっ!』


テレビのワイドショーが流れている中、電話が鳴り響く。


「もしもし」

『一狼。加藤君を連れて、直ぐに灰色の狼の調査をしてくれ』

「了解」


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