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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
王と優しさと力
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狼達と怪獣王その二

一体、何が起きているのか理解が出来ない。

自分が生まれて、頭の上に誰かが乗った事などない。

自分はこの星の意志として生まれ、この地上の生物での頂点。

誰かが自分を見下す事何て無い、あってはならない。


「貴様っ!!我の頭の上から降りろッ!誰の上に乗っているのか解ってるのかっ!?無礼者がっ!?」

「うるせぇっ!人に迷惑かけたら、ごめんなさいだろうがっ!」

「痛いっ!止めろっ!」


この光景を見ている、人間達は同じ事考えていた。

一体、あの男は何をしているのか。

だが、有限無しに湧いて来る怪獣達の動きが止まる。


「シルバーファングが姿を現しました?どうしますか?」

『今は手を出すな、協定を破る気か?』

「は、出すぎた真似を」

『今は我々の風向きを変えるんだ』


誰もが混乱しているが、確かな事がある。

あのめちゃくちゃな銀色の狼がこの事態を何とかしてくれる。

正に誰もが求めたヒーローだ、本人はその自覚は無いようだが。


「良いからっ!謝れっ!かぁちゃんに習わなかったかっ!人に迷惑かけたらごめんなさいってっ!」

「痛いっ!だから、やめろと言っているだろうがッ!」

「うるせぇっ!怪獣王だがしらねぇがっ!てめぇの所為で休みはないわ、ジャンプは休刊だわっ!

良いから、謝れっ!迷惑かけた全員にっ!」


巨大な頭上に乗り、ひたすら拳を叩きつける。

正義の為でも、人助けでも無い。

ただ、自分が溜め込んだ不満とストレスをぶつける。


それで良いのだ、元々自分の意志でヒーローになったのではない。

旧友を助ける為にこの職に就いただけだ。

それにやる事も無かった、傷だらけで空っぽだった自分に生きる事を教えてくれた恩師の為。

性分で困った人を見捨てる事が出来ない、それだけだ。


「黙れっ!下等な劣悪種族めっ!我はこの星の意志そのものだぞっ!」

「はっ?良いから謝れっ!星の意思?そんなの知るかっ!!!」

「止めろっ!我は貴様らにとって、神に等しい存在だぞっ!痛いっ!」

「神っ?だったら、周りを見てみろっ!てめぇが神なら、見えるだろっ!」


痛みの中で耳に入って来る声がある。


「大丈夫ですかッ!!誰か手を貸して下さいっ!瓦礫の下に人がッ!」


今まで、自分に意見した者は初めてだ。

それに他者の声に耳を傾けろと言われたのも初めてだ。

人間があんなに綺麗で思いやりがあるとは思っていなかった。

今まで人間は自分の利益を事だけを考える意地汚い生き物だと思っていた。

その光景を星の数程見て来た、だから人間を滅ぼすと決めたのだ。


「てめぇがやってる事はただの自分勝手だっ!さっさと謝れッ!」

「すまなかった…」

「許すっ!」

「人間にやり直す機会をやろうと思う」

「は?」

「我は今まで、人間の汚い部分しか見てこなかったみたいだな。

我にここまでした人間はお前達が初めてだ。人間、名は何と言う」

「白牙一狼」

「随分と変わった名前だな、だが貴様に合っているぞ。

それと、我の頭から早く降りろ」

「そうだな」


気が抜けたのか薬の効果も切れ、変身が解け、視界が真っ暗になる。


「一狼君っ!?」


落ちそうなのをシルバーナイトが抱え、地上に降りる。


「怪獣王、その深い懐に感謝をする」

「ただの気紛れだ。だが、人間達が醜い争いをしたら次は無いぞ。

今回はその銀色の狼に免じて、引くとしよう」


煙のように消えた。

消えたと同時に破壊された建物が全て再生した。


「全く、君はすごいよ」


これで怪獣との戦いは終わった。

だが、怪人クラブとの同盟関係もこれで終わりになる。

今はこの危機を打破した事を喜ぶべきである。





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