人間対怪獣その十九
「どうにかなるからここにいる」
自信が溢れるこの声と堂々としているこの声。
その姿を見るだけで、その声が耳に入るだけで安心ある。
どんな悲惨で惨い状況でも変えてしまう。
この世界の現代社会は超常現象は日常茶飯事で起こるが、奇跡は起こせない。
超常現象で人助けは出来ても、突然起こる世界の終末を一瞬で救えない。
だがこの男、ランキング1位シルバーナイトはどんな状況でも変える事ができる力を持っている。
彼が関わって来た、日本で発生した大災害を救って来た。
他のヒーロー達が諦めた、状況でも彼だけは決して諦めない。
その理由は他者より、優れた能力と何よりも絶対に諦めない不屈の精神。
彼は何時も言っている、何よりも大事なのは諦めない気持ちだと。
「随分、矮小な人間の分際でこの怪獣王に大きな口を訊く。
良いだろう、我が眷属達が相手をしてくれよう」
空から降って来る重厚な言葉共にさっきまで相手をしていた数の倍以上の怪獣が現れた。
「これでも軽口を訊けるか人間」
「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」
数は数えるのを誰もが止める、誰もが思っただろう本当に終わりだと。
この圧倒的な絶望が立ちはだかるにも関わらず、彼は冷静だ。
人が冷静でいられるのは簡単だ、自信があるからだ。
「変身」
一言呟くと身体が白い輝きに包まれ、姿が見えなくなる。
だがその輝きは暖かく温もりを感じる。
この状況にいる者は安心感に包まれていた。
これで大丈夫だと、誰もが確信する。
日本の誰もが知っている、日本の平和は彼がいるから保障されている。
それがランキング1位でミスターの息子、シルバーナイトだ。
ヒーローと怪人達は視界の殆どが怪獣、怪獣、怪獣。
「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」
「はぁっ!」
白銀の騎士が力を込め、正拳突きを繰り出す。
「何っ?!」
轟音と共に大量にいた怪獣の三分の一が煙のように消える。
「「「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」
360度襲い掛かる化け物だらけの状況で顔色一つ変えない。
何を思ったか、いきなり地面を蹴り上げて高く飛び上がり軽く立てに身体を回し、地上に蹴り。
コンクリートにクレーターが出来たと同時に怪獣はいなくなった。
「おいおい、まじかよ。シルバーナイトってあんなに強かったのかよ…」
「絶対俺らには会わないから安心しろよ」
「でもよ、今は味方だぜ」
「あぁ、シルバーナイトはみんなの憧れだ。ヒーローも怪人も関係ない」
その様子を傍観している。
怪人達は額に冷や汗を浮かべながら、シルバーナイトが味方でよかったと心底感謝した。
怪人達はシルバーナイトに遭遇すると絶対に捕まる。
「これで解っただろう、怪獣王よ。これ以上、無駄な争いはしたくない」
「人間風情が我と対等な口を訊くなっ!」
「だが、いくら怪獣を出しても私がいればどうにでもなる」
「随分、強気になれるな。貴様、名は?」
「私はシルバーナイトだ」
「シルバーナイトよ、貴様は我を説得しようとしとているのか?」
「そうだ」
この状況で説得をしようとしている。この男は馬鹿なのか底なしのお人良しだ。
だが彼がランキング1位の理由はこの海のように広い懐だ。
怪獣相手にも紳士に対応する。
「はっははははははははっ!面白いっ!
我がこの星に生まれて、説得をしようなどとした人間は貴様が初めてだっ!
少しは話を聞いてやろうっ!」




