人間対怪獣その十二
「おいっ!あれ見ろよっ!」
誰かが、空に指を指す。
「な、何だよ、あれっ!?」
余りにも巨大な物に口を空けて呆然としている。
その天高く聳え立つ物は地上を見つめて何を思っているのか、見上げている者達は想像も出来ない。
だが、この巨大な物は考えている事は簡単が人間を滅ぼす事。
言葉にすると簡単だが、意味が解ると残酷非道。
その巨大な物の瞳にはいったいどんな景色が広がっているのかは誰も理解できない、理解しようともしないだろう。
見られている者達には絶対的な恐怖、絶望でしかない。
地上にいる人間達が一致している事はたった一つ、「この世の終わり」だと。
「おいおいっ!こんな話聞いてないぞっ!」
第二防衛線の一人がぼやいた。
無責任な言葉が生む、現象は解りきっている。
空気が悪い方向に向かいそうになる。
「そうだっ!俺達にあんな、化け物と戦えって言うのかよっ!」
「あんなの無理に決まってるっ!」
こんな言葉が出て来るのは誰も解っていた。
だがこの言葉をきっかけに小競り合いに時間と気力を裂いている暇は無い。
こんな不満を漏らしている時も、怪獣の群れは迫っている。
「確かに、君達の言っている事は解るっ!逃げたいと思う者は逃げて良いっ!
逃げるのが卑怯者だとは今の状況では誰も責めはしないだろうっ!
ここにいる者達の大半が上司からの命令や政府からの依頼だろうっ!
だが、少しでもこの状況を変えたいと思う気持ちがあるのなら力を貸して欲しいっ!」
この言葉を口にしているのは10強の人である、シルバーナイトである。
日本代表である、彼が他人に協力を求めるするのは誰の目にも異質に見えた。
この言葉にその場にいる大半が声を上げる。
「あんたが丁寧にお願いする必要なんかねぇよっ!」
「俺達はあんたと戦うぜっ!」
一気に士気が上がり、その場の雰囲気が良い方向に向っ行く。
「「「「「ぎゃおおおおおおっ!!!」」」」」
恐怖と絶望が形と成して、直ぐ側まで来ている。
誰もが怖くないと言ったら嘘になる。
だが、この場にいる者の気持ちは一つだ。
『全員、臨戦態勢に入って下さい』
インカムから、声が響く。
それと同時に本当の戦いが始まる。




