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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
王と優しさと力
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人間対怪獣その十一

「「「ぎゃおおおおっ!!!」」」


もう、目と鼻の先に恐怖と殺意が群れを成して迫って来る。

だが、その光景を冷静に見つめている集団がいた。


『見てくださいっ!大勢のヒーローと怪人達が怪獣に立ち向かうために待機していますっ!

国民の皆さん、この放送を見ていますでしょうか?これを見て、少しでも希望を持ってください。

私達ができる事はこの事実を少しでも長く報道する事です。

カメラのバッテリーがもつ限り、中継を続けたいと思います』


目の前の光景は映画や漫画の様だ、自分の身長の倍以上ある怪物が叫び声を何重にも重ね行進している。

この心情は恐怖心が大半を占めているが、その中には脅威をどうにかすると言う感情も混じっている。

この感情はこの作戦に参加している者達は全員が一致している。


『待機しているヒーロー、怪人は第二次防衛作戦を開始して下さい』

「了解」


誰もいない高層ビルから、化け物の群れを眺めていた。

怪人クラブ最上位戦闘員の鳥だ。

彼はこのビルの上から、その視力を活かし数キロ先の様子を見ていた。


聞こえて来る、魑魅魍魎達の呻き声。聞こえて来る、破滅の歌。

聞こえて来る、破壊の足音。聞こえて来る、絶望と恐怖の姿。


だが誰も逃げようとしない、それはこの危機的な状況を変える為にこの場に立っているからだ。


「これより、第二次防衛戦作戦を開始するっ!

ここにいる者達は想像も付かない程の覚悟を持ってこの場に立っているだろうっ!

この場にいる者達は同士であり、背中を預ける戦友であるっ!

必ず、必ずっ!この作戦を成功させ、あの我らの敵を討ち倒しこの国をもう一度平和を勝ち取ろうっ!」


この暑苦しい、演説紛いを繰り広げているのは怪人クラブ最上位戦闘員わいおん将軍。

この第二次防衛作戦の指令官は彼である。


彼の得意分野である。

今回はヒーロー達との大規模な作戦であるが、不安はあった。

ヒーロー側から見れば、完全に敵側の人間に個人の超能力を晒している事に懸念がある。

敵に情報を無償で提供して、さらに駒に使われている。

これはヒーロー達は少なくとも勘に触る者達もいる事だろうがらいおん将軍の指揮官として優秀なのは10強なら誰でも知っている。


「将軍、そろそろ仮説指令室へ…」

「解った」


スーツを着た、黒装束の男が近づく。


『らいおん将軍、標的が近いです』


その場から将軍が立ち去り、いよいよ怪獣達との第二ラウンドが始まる。


怪獣殲滅部隊が待機している、数キロ先にはヒーローが三人待機していた。

ミスターブラックホール、ミスターエクスプロージョン、ミスブリザード。

彼らの役割は50体にまで減った、群れを出来るだけ減らす事だ。

標的は20メートル級の駆逐である。


「「「「「ぎぉおおおおおおおおっ!!!」」」」」

「こんな街中で能力を使えるとわなっ!!」


巨大な怪獣の群れに全く動揺を見せない。


「ささっと終わらせましょ…」

「冷めた事を言うなよ、燃えて来るだろっ!」

「馬鹿一人と狂人一人か、疲れるわね」


『三人とも用意は良いか?』

「大丈夫に決まってるだろうがぁっ!」

「いつでも行けるぞっ!」

「ささっと始めましょ」


空中に黒い円形が複数、浮いている。

瞬きもしない間にひれが大きくなり、怪獣達を吸い込む。

さらに無差別に黒い円形は物体を吸い込み続ける。

これは小さいブラックホールだ、ミスターブラックホールが攻撃を開始したのだ。

気づけば、目の前の物体が殆どが無くなっていた。


「次っ!ささっとやれっ!これ以上はコントロールが効かねぇっ!」


ブラックホールの次は地面が氷付けになる。

しかもかなり広い範囲で、怪獣達を足止めにする。


止めに爆破が起こる、まるで巨大な爆竹を見ているかの様に爆発の連鎖が起こる。

止む事の無い、爆発の連鎖。


三人でこれで半分以上の怪獣が減ったと確信していた、らいおん将軍も自分が立案した作戦に自信を持っていた。


「「「「「ぎゃおおおおおおっ!!!!!」」」」」


減った所か、さっきより増えていたのだ。


「どうも、様子がおかしいな…」


口を開いたのはブラックホールだ。いつもは狂人の様な振る舞いをしているが今は冷静だ。


「こちら、ブリザード。指令室、応答願います」

『どうした?何かあったか?』

「将軍、怪獣の数が減りません」

『何っ?!第一次防衛線と同じ事が起きているのかっ?!』

「どう言う事ですか、それは?」

『何か変わった怪獣はいないかっ?!』

「探して見ます」


さらに絶体絶命な事態が発生する。

空を見上げると超巨大怪獣が姿を現した。


「愚かな人間共よ、自分達の愚考を悔いるが良い」


肩に重しがかかる様にその声が身体に振ってくる。

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