人間対怪獣その九
「おい、あれ誰だ?名簿には載っていなし、そもそもあんなヒーロー知らないぞ?」
「いや、私も知りませんよ…」
対策本部ではモニターに映る物体が何者なのか情報が一切ない為、さらに混乱を招く。
「我の眼前に立つとは勇敢な人間よ、敵ながら褒めてやろう。
だが、その行為がじ…」
「うるせぇ…」
怪獣が饒舌になっている途中で、黒い刃を無数に飛ばす。
「この無礼者がぁっ!」
「どっちが、無礼者だよ?人の商売邪魔しといて、上から喋ってんじゃねぇよ」
「良いだろう、その愚かな行為を後悔させてやろう」
気づくと周りには小型の怪獣と大型の怪獣に囲まれていた。
「我が眷属よ、その愚か者に身の程を教えてやれっ!」
「「「「「ぎゃおおおおおおおおおおおっ!」」」」」
360度敵だらけでしかも、さっき始末したばかりの怪獣達と同じ大きさの物まで現れる。
「だから、どうした?」
余裕を見せると、大きく黒い両翼を広げ黒い雨を撒き散らす。
「「「「「ぎゃおおおおおおおおおお」」」」」
過半数の怪獣が苦しみの叫びをあげる。
その手を止めずに羽を二枚抜き、刀に変化させる。
例えるなら漆黒の竜巻である。
周りの怪獣達が目に止まらぬ速さで切り刻まれて行く。
まさに千手観音、その電光石火は止まらない。
「ふぅー」
黒い鳥が動きを止める頃には怪獣一匹だけになっていた。
「き、貴様…。我が眷属達を…」
「ごちゃごちゃ、うるせぇぞ」
「ぐあぁっ!我は、我は偉大なる怪獣王様の右腕ぞ…。
人間如きにっ?!」
再び、電光石火の如く四肢を切り裂いて行く。
「俺を誰だと思ってやがる、鴉様だ」
怪獣の周りに巨大に黒い剣が浮遊している。
「ば、ばかなぁっ!」
静かに立ち去ると同時に黒髭危機一発の様に串刺しになり、静かに消滅した。
「お前らより、強い奴がいるんだよ」




