怪人殺人事件
これから二章の始まりです
二人に一人の高い確立で何かしらの超能力を持っているこの世界。
何故そのような事が起きたかは誰も知らない、初めての発生は今から数十年前の事だ。
とある国の片隅で、遊んでいる時、食事をしている時など日常を風景の中に突然に現れる。
周りに異変が起きたら周囲の人間がどうなるかは明白だ。
だが直ぐにヒーローの出現により、世間の目は直ぐに良い方向に向かい各国にヒーロー関係の組織などが設立される。
「もしも、了解。直ぐに現場に向かう」
ミスターからの連絡を受け、席を立つ。
「どうしたんですか?」
「直ぐに現場に行くぞ」
「え?ちょっと、待ってくださいよ!」
事件が発生したのは近くの商店街の路地裏、近隣に住む民間人。
早朝、ゴミだしに行った時に通りすがりに発見。
遺体を発見した第一発見者はその余りの悲惨な状況に言葉を失ったと言う。
「こいつはひでぇな…」
A市県警刑事課ぶんさんは仏に手を合わせる。
「すぐに鑑識を呼べ」
「解りました」
「ぶんさん、ちわ~す」
「お、白と部長さんか。早かったな」
「それで被害者は?」
「この仏さんだよ、別に珍しくねぇがちょっと酷いな…」
「う…」
「どうした、部長。気分が悪いならあっち行ってても良いぜ?」
「すいません、そうします」
その遺体は良いとは呼べない状態だった、数え切れない打撲と爪でひっかかれたと思われる傷が幾つもある。
それに胸には小さな四つの穴が空いていた。
それにしてもさっきの鼻の奥に突き刺さる臭いはなんだったのか、それが原因で気分が悪くなった。
最近やけに耳が良く聞こえるようになったり、臭いを強く感じたり、遠くの臭いも感じる事もある。
それに目が良くなった。
別に悪い事ではないから特に気に止めないが、白牙さんからの輸血が関係しているのか。
「加藤さん!ここにいたんですか!」
現場から少し離れた、コンクリートにもたれながら呆けていると聞き覚えのある声が聞こえる。
「田中さん、無事だったんですね!」
「はい!あの時、加藤さんが庇ってくれたおかげです!ありがとうございました!」
「そんなに頭を下げないで下さい。私は当たり前の事をしただけです。それにしても酷い事件ですね…」
「はい…、これでもう二件目ですよ」
「え?」
「それに被害者は怪人ばかり、しかも怪人クラブ所属の怪人ばかりです」
「本当ですか!?それって、罪になるんじゃ?」
「暦した犯罪です」
この社会は超能力者を守る為の法律もちゃんと制定されている。
その一つに例えば、人と異なる形としていても殺害した場合罰すると言う法律がある。
当たり前だがこの法を守らなかった場合、厳しい罰則が与えられる。
例えば、一般人が超能力者を殺害した場合もちろん厳しい罰則が与えられる。
その反対ももちろん存在する。超能力者が犯罪を犯した場合、裁判を経て更生施設に送られる。
この社会は超能力者を守る社会、超能力者を生かす社会。